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友達とはside吉岡尋海
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自分の口から出た現実が、どんどんしみ渡っていく。
充実感と満足感と達成感が心に滲む。
ぼやけていた視界がはっきりとしたものに変わっていった。やがて焦点が合う。
その瞬間、俺はしっかりと現実を理解したのだった。
「やった………!俺はやったぞ姉貴!」
旭と!旭と友達になれた!しかも旭が俺のことを名字で呼んでくれた!今思えば今日は人生で幸せな日ランキング3位にランクインするほどの幸福な一日だった。
友達。巷で噂の友達とやらが初めてできた。しかも初めてが旭とか、もう俺死んでもいい。
俺から言ったんじゃなくて、旭からそう言ってくれたのが喜びを倍増させる。怖がられてる怖がられてるって落ち込んできていたが、そうでなかったことが判明した。
もしかして旭も俺に興味があったんじゃないかな。いや、俺みたいに強く思ってるわけはないけれど、一匙でもあったらそれでいい。
とにかく俺は旭と友達関係を結んだのだ。
それだけで顔が赤くなる。動悸が速くなる。胸が苦しくなる。またこの病状か。いつもと違って気持ちのいいものだった。
そっか、俺、旭と友達に………。
「マジ気持ち悪いんですけど!」
俺の顔が断罪レベルに緩んでいたらしく、侮蔑の怒声と共に姉貴が足裏を俺の顔面に放ってきた。直撃して吹っ飛んだけれど、まあいいかなと許せるぐらい有頂天だった。
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