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君の悲しみを隠さないでside旭秀治
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「あっ吉岡君おはよう」
「おはよう旭。今日もいい天気だな」
朝の挨拶を交わして僕たちは隣に並んで座る。
そして言葉を交わしあって静かなお喋りを楽しんだ。
内容はたわいのないことばかりだけれど、吉岡君と話すことが楽しいので、すべての種に花が咲くように、話題が盛り上がるんだ。
明るい日差しの中、吉岡君と肩を合わせて花壇の世話をしているみたいな気分だった。
陽だまりが僕たちを包んで笑顔を晴れやかに彩るように。
僕は彼と話しているだけでほんわかした気分になれた。
ここまではいつも通りだ。
いい友達の範囲で収まっている関係性が、なぜか最近満足いっていないのは秘密だ。
もっと彼のことを知りたい。前とは別の意味合いを持つ向上心が膨れ上がる。
だけど今はこの関係でいいかな?なんて怠惰な姿勢を見せる自分がいた。
席替えをしてから3週間ほど立つ中で積み上げていった僕たちの日常。
綺麗とまではいかないけれどやっと普通に話せることができた未来。
なのに些細な外部からの風のせいで、崩れようとしていただなんてこの時の僕は知らなかった。
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