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運命の席替えside旭秀治
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大体高校生にもなって席替えで大興奮とか子供っぽすぎるでしょ?
もう小学生じゃないんだから落着きを持っていただきたい。
口に出す勇気はないけど胸の中でならいくらでも毒づける。
それが僕の自分でも性根が曲がっているなーと自覚している短所だった。
ヘタレのくせして無駄にプライドが高い。厄介なタイプだよね。
あーあ隣の女子が「次も同じ席になれたらいいね」「絶対なれるよー!」なんて非現実的な会話を繰り広げている。確率はいくつだ?理知的な見解を求める。
本気で隣になれるなんて思ってもいないのにね。女子の口からは次々と出まかせがよくまあ飛び出すもんだ。
「旭君の番だよ」
前から回ってきた紙を受け取り、線の上に名前を書く。
30本分ひかれた線はもうあまり空きがない。
ぐにゃぐにゃにねじれにねじれ訳がわからなくなっているアミダを後ろの人に回す。これでぼくの任務は終わりだ。実にくだらない時間を消費しちゃった。
「んー…どこにしようかなー」
そんな声が後ろから聞こえてきた。
どこでもいいから、どうでもいいから早くこの無意味な時間を終わらせて?
とりあえず隣にいても全く気にならずおとなしげな男子生徒、なんて我儘は言わない。
誰でもいいよ。ぎゃーぎゃー騒ぐ女子でもオタクの男子でもお調子者でも恥ずかしがりやな女の子でも。
どんな奴でも僕は変わらずに本の世界にのめりこむから。
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