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運命の席替えside吉岡尋海
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席替えなんてどうでもいいイベントに苛立っていた俺、吉岡尋海はあみだに自分の名前を書き込む。我ながら汚い字だ。
見ていると吐き気がしてくる。もっと綺麗に書きたいもんだ。習字に通ってみようかな。
さっさと後ろに回してあげたくて、素早く叩きつけるとすげえビビられた。あっわりぃ。脅かそうとかそんなつもりはなかったんだぜ。
謝ろうと思ったけど生徒は立ち上がって違う友人のところに行ってしまった。急ぎの用かな。まーいいか。
金髪の髪の毛を掻きむしりこの件は忘れることにした。
昨日の夜ゲームしすぎて寝不足だ。眉間に皺がものすごいよっているのが自分でも分かる。こめかみを揉んで俺は席移動を始めた。あーめんどくせー。眠たいよー。
ぼんやり運んでいると、どかっと俺とあんまり身長の変わらない男子生徒にぶつかられた。短気じゃないので別にいちゃもんをつけようとは思わない。
むしろぼーっとしていた俺が謝るべきだ。とか思ったけどまた機会を逃した。もう今日はなんなんだ。とてももやもやする。
さて隣は誰かな。右を見て確認し、窓際を勝ち取った強運の主に目線を合わせた。
カーテンが風に吹かれてふわりと舞い上がる。
彼を包み込んだ後、静かに元に戻る。現れた顔立ちに、心臓が痛いぐらいに跳ね上がった。
日に当たったことがないんじゃないかと疑う白さ。銀縁のフレームの眼鏡が更に美白を強調する。凛々しく活字を眺める目つきが俺の視線を奪う。
運命だと思った。めちゃくちゃかわいいとも思った。タイプだって内心叫んでしまった。
心が読める奴がいたら思わず飛び跳ねるぐらい勢いよく。それぐらい衝撃的に惹かれてしまったんだ。
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