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小さな挨拶side吉岡尋海
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次の日俺は旭と仲良くなる計画を実行することにした。
俺の第一印象は「なんかすごい睨んでくる人」になっているのは間違いない。
悲しいけどこれは現実なんだ。
あの時怯んでいなければ今頃もう少しましな印象を植え付けられていたのに。
タイムマシーンがあれば即効席替えの日に戻って一発自分を殴っている。
だからまずはそのイメージを払しょくするため、挨拶から始めてみることにした。
挨拶というのは些細なものだけど、とっても大事なものだ。
するだけじゃ意味がない。どれだけ明るくはきはきとできるかどうかが問題だ。
いくら大きな声でやっても、イントネーションがおかしかったら元も子もない。
つまり良い印象を与えるために、完璧な挨拶をしなければならないのだ。自分にプレッシャーを与え、俺は一大決心をした。
まず教室に入った俺は旭が来ていることを確認する。
よし行くか。隣の席だから声をかけるのはあまり不自然ではない。ナチュラルさを装って。さりげなく大人な挨拶をしてみせるぞ。
そして旭に挨拶を返してもらう!
思い切って旭の近くに立ってみる。よし、後は「おはよう」って口にするだけ………。
「………ッ」
ああああ言えねえええええ恥ずかしいいいい!挨拶しようとするだけでこんなに恥ずいもんなの?うわああ恋って厄介!
肝心な時に仕事をしない俺の喉をぶっ潰したくて仕方がねえよ!
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