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「ちょっ牙刃、腕っ痛いよっ牙刃!」
無言を通した俺に、ムツルは涙を溜めて、腕が痛いことを主張し続けた。
脱衣所に着き、ムツルの腕を離す。
「牙刃…どうしたの?怒ってるの?」
「怒ってないよ。ムツル一緒に入ろ?」
「……牙刃は、僕じゃなくても…いいんでしょ?」
ムツルの目が、合わなくなった。
「なに言って…」
「僕じゃなくても…牙刃には黒刃君が居るもんね。ニシトにだって優しくして…。僕じゃなくても…」
ムツルの顔から、水が流れ落ちた。
「ムツル…泣いて」
「牙刃は、僕じゃなくてもよかったんでしょ!?」
「何でそんな事を言うんだよ?ムツルじゃなかったら…」
「いいよ…。僕は、牙刃じゃなくても…いいから…」
「……ムツルは俺が好きなんだよな?」
「…好きだよ。でも、今は嫌い」
「俺は、ムツルのこと好きだよ。今も好きだよ」
「好きでも、僕じゃなくても同じことを言うでしょ」
ムツルは、なにを言っているんだ。
「ムツル、俺が他の誰かに好きだなんて言う男に見えるか?」
「見えるよ。牙刃は優しいもん」
ムツル、お前は可愛いな。
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