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七海美鶴の焦燥②
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菊池は七海の目隠しを外した。
七海の目に優馬の姿が目に入り、絶望の色に変わった。
「か、んざき…そんな…」
「卑しいお前の姿を神崎はずっと見ていたよ」
優馬はどんな顔をすればいいかわからず、七海から顔を背けた。
「なんでお前が…っ…出てけ!」
七海は優馬を睨みつけて叫んだ。
優馬自身この場から立ち去りたかった。だが菊池の呪縛から逃れることができない。
代償の時間と宣告された優馬には菊池に逆らう術がなかった。
「神崎、おいで」
七海に対する声とはワントーン高い声で菊池は優馬を呼んだ。口調も柔らかい。
「…っ…」
優馬は首を振って否定の意思を示した。
怖い。
優馬は菊池に恐怖を覚えていた。優馬の目に涙が浮かぶ。
優馬の態度に菊池のこめかみがピクリと動き、傍らに這いつくばる七海の腹を蹴り飛ばした。
「ぐぅっ!…う…っ」
「…!!」
「少々苛立ってしまったよ。神崎、おいで?」
菊池は行為とは裏腹に優しい声で優馬に問いかけた。
それは逆らうことを赦さない命令。
優馬は恐る恐る菊池の手招く方へ歩み寄った。
「そう、いい子だ」
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