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菊池の掌中①
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あれから何時間経っただろうか。
遠くに置き去りにされた意識の中で、身体は優馬の言うことを聞かず、気だるさを感じていた。
肌に冷たい感触を感じ、シャワーの水音がして目が覚めた。
「…え…?」
風呂場だ。
自分は空の浴槽の中に座らされ、菊池が洗い場でシャワーの温度を確かめている。
自分も菊池も一糸纏わぬ姿で、優馬を拘束していたガムテープは全て外されていた。
「起きたか、神崎」
「っ…!」
悪夢が終わっていない。
優馬は菊池の声に無意識に身を固くした。
「君が粗相をしてしまうものだから、そのまま帰すわけにいかなくてね。ここは私の家の風呂だ」
菊池の家。
袋の鼠じゃないか。
「家に帰してください…っ」
「心配せずとも、風呂をあがったら帰すよ。まだ夕刻だ」
「……っ…」
優馬は頭を抱え、錯綜する記憶を遡った。
衝撃的なことが起こりすぎて、優馬の記憶も感情も混乱していた。
「な…七海は…?」
「さぁ?あいつは放っておいても自分で始末して帰る」
遊び飽きた玩具のように、全く興味のない様子だった。
「おいで、神崎。洗ってあげよう」
ビクっと優馬に悪寒が走り、怯えた表情を見せる。
「大丈夫、何もしない。君が素直にしてくれるならね」
優馬は思案し、抵抗しない方が身のためだと察して浴槽から立ち上がった。
風呂椅子に座る菊池の前の床に縮こまって座った。
「ちゃんとお仕置きで反省しているようだね?神崎」
優馬は抱えた膝に顔を伏せ、何も答えなかった。
温かいシャワーが優馬の背中に当てられ、そこに菊池の手が触れた。
「……っ…!」
背中に触れられただけなのに、快感と恐怖が甦り身体が強張った。
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