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優馬の胸中
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菊池が出て行ってしばらくは、シャワーを浴びたまま啜り泣いていた。
身体は全身が気怠く、頭の回転も鈍く感じる。きっと媚薬の副作用だろう。
「なんなんだよ…」
俺は、菊池のことが大嫌いなはずだ。
意地悪で、人を虐めて嘲笑い、暴力を振るい、人の弱みを握って脅す。
最低な奴じゃないか。
「最低の…変態教師…!」
そのはずなのに。
なんで俺は揺らいでいるんだ。
俺は菊池とこんな関係になる前、菊池を尊敬していた。
学校の先生の中でも群を抜いて頭が切れて無駄のない的確な指導をする。
非常に難解な問題を出すため生徒には嫌われているが、俺は菊池に意地でもついていこうと躍起になっていた。
菊池が担任になって嬉かった。
でも、補習と代償の関係になったとき…
尊敬していた先生が生徒に"ワイセツ行為"を持ちかけるなんて、酷い裏切りのように感じた。
先生に認められたくて躍起になっていたけど、こんな淫猥な関係で認められたいワケじゃない。
だから代償の時間には、敬意は敵意に変わった。
「好きじゃない。…好きなんかじゃない…」
優馬の脳裏に今までの菊池との記憶が蘇る。
尊敬していた時、初めての行為の時、優しく抱かれた時、酷く虐められた時…
"いい子だ"
"可愛いね"
"私は君を愛している"
菊池の甘い言葉がリフレインする。
そして…菊池が七海を嬲る場面がその全ての記憶を黒く塗り潰した。
「…好き…だったのに…!」
やっと気づいた自分の気持ちは、既に菊池に裏切られていた。
俺は七海や今までの相手に嫉妬している。菊池に自分だけの先生でいて欲しかったんだ。
先生に認められて、先生の特別になりたかった。
だけどそれは叶わない。
菊池は俺を玩具の一つにしか思っていない。甘い言葉で翻弄して遊んでいるだけだ。
俺だけを愛しているなんて…嘘だ。
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