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お休み8
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次の週の月曜日。
朝礼の時間に教室に来たのは菊池だった。
優馬はいつも通りに戻った菊池の姿を見て安堵した。
放課後のHRが終わったあと、帰りの礼が終わると、菊池は優馬と目を合わせてくれた、気がした。
優馬はこくりと頷いてそれに答えた。
特別自習室にくるのは久しぶりだ。
夏休みに菊池の家に教材を持っていった以降、ここは避けていて入ることはなかった。
自分用の広い机と椅子、本棚がある、自分の居場所。
自習室で勉強をして待っていると、コンコンとドアがノックされる小気味いい音が聞こえた。
ドアの鍵が開かれて、菊池が姿を現した。
「先生、元気になってよかったです」
「あぁ、おかげさまで。君に補習したい内容が山ほどある。一ヶ月も避けられていたものだからな」
「う…」
「代償はいらないよ、これは見舞いの礼だ」
「あ…ありがとうございます」
「代償を期待していたか?」
「ちがいます!」
ニヤリと笑う菊池はすっかり不敵な笑みになっていて、先週の穏やかな菊池は熱のせいだったんだと思い知った。
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