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黒谷透と菊池彰①
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校舎に通る風は涼しくなり木々は紅葉していた。
中間テストまであと2週間。中学部への受験に向けた勉強と並行して準備していかなくてはいけない。
特別自習室から窓の外を眺めていると、菊池先生が中学部の校舎に向かう姿がみえた。
「先生…?」
中学部になんの用だろう。
受験も近いし、文化祭も近いし、中学部との連携が必要な会議があるのかもしれない。
…きっとそうだ。そうだよね?
その後ろ姿を目で追っていると、3-1の教室から誰かが先生に手を振っているのがみえた。
黒谷先輩だ。
先生はその手に応対しなかったが、確実に目を合わせていた。
優馬はその二人の姿から目が離せなくなった。
先生が校舎に入り、しばらくすると、3-1の教室の窓からその姿が見えた。
黒谷先輩と何か話している。
先生が窓のカーテンを閉めようとしたその時、先生がこちらを見た。
目があった、かもしれない。
びっくりしてすぐに窓の下に隠れてしまったものだから、先生の反応を見ることができなかった。
こっそりと窓を覗いてみたときには、もう教室はカーテンに遮られて見えなくなっていた。
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