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黒谷透の補習①
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七海は放課後の時間を中学部で過ごすようになった。
訪ねるのは3階の廊下の最奥、生徒会室よりも更に奥にある、生徒会長室。
装飾の施された重々しい扉を開くと、そこはまるで校長室のような雰囲気で、応接用のソファ、仕事用の机と高級感のある椅子、本棚には学校の歴史資料を始めとする本が並んでいた。
その椅子に王様さながらに座っているのは、黒谷透だ。
頬杖をついてペンを持ち、書類に目を通しているところだった。
「やぁ、美鶴くん」
「先輩…先生と話したんですか?」
「うん。あの写真は役に立ったよ。君も辛かったでしょ?あんな写真を見るのは」
同情するような口ぶりで言うが、その心情を想像して面白がっているようにも取れた。
「…あんなの、別に」
あの時の図書室の情事に比べれば…目の前で先生を奪われた怒りに比べれば、写真を見るなんて造作もないことだった。
「あとは君が一位を取るだけ。俺が教えるんだから簡単だ。君は絶対に神崎優馬に勝つ」
「勝てば…本当に先生をあいつから奪える?」
「もちろん。ねー美鶴くん、敬語忘れてるよ?」
黒谷の目が、七海を冷たく射抜く。
その一瞬の気の緩みさえ、黒谷は許さず主導権がどちらにあるのかをわからせる。
「!…すみません…」
「ううん、わかればいいんだ。これから君に教えてあげるんだから、態度には気をつけようね?」
「はい…よろしくお願いします」
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