アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
【平凡ですが何か……!】
-
幻聴か?
それとも聞き間違えか?
今、生徒会の勧誘を受けた気がするんだが。
「……夢だ。そうだ夢だ。覚めろ。授業の内容聞くんだ、リアルの俺。授業中寝るなんて羨ましい限りだ」
「…おい。大丈夫か?
ここは夢じゃないぞ。それにお前は起きてるし。試しに抓ってやろうか?」
目の前で会長が整った顔で笑ってる。
眩しい。誰かカーテンを閉めてください。
「いえ、それは遠慮します。」
だとして。
夢じゃなかったとして。
「なんで俺を誘ったんですか?」
率直な質問を述べてみる。
俺なんかを選ぶくらいならきっとなんか大変なことが起きてるはずだ。多分。
だって俺はまだ転校してきたばかり……というか今日だし、日が浅い俺にしかできないことでもあるって言うのか?そうじゃ無かったら俺が生徒会する意味なんてないしな……。
「実はこの2週間前、ある1人の転校生が来てな……。」
「俺の他にですか。」
「あぁ。それでそいつが書記やらなんやらをかっさらって……」
かっさらう?みんなとったの?え、1人で?物理的に?
「あぁ、悪い。そんな困惑した顔しないでくれ。……なんて説明していいか……。
あ、陽ノ下。頼んだ。」
「なんで私なんですか…!…まぁいいですよ。
転校生の名は有本 勇気。良くある王道物語で生徒会引っ掻き回す奴がこの学校にも来まして。」
「メタい。」
「それで、書記も会計もみんな、有本さんの虜でして。
……実は数日前まで私も虜だったんですが……。」
「……副会長もですか?」
意外だ。この人が虜になるまでその人は可愛かったり美しかったりする……っていうわけか。
「ええ。
……以前の私は優等生でいようと、性格を偽っていまして。それを彼に見破られたんです。そんなことでついつい舞い上がってしまいまして……。……会長しかまともに仕事してないって気づいた時にはもう冷めていて。結局その程度の人だったんでしょうけど、今はどんなに言い寄られても好きになることはないと思います。ただ、見破って欲しかっただけだったんでしょうね、私も。」
「……はぁ。そんな事があったんですか。でも、副会長が正気になってよかっ……え?すみません。彼って…有本 勇気って男なんですか?」
「ええ。そうですが。」
……え?…………あ、いや、空いた口が塞がらない。
てことは一時期、会長以外の人は同性である男が好きだったってこと?は?……え?有り得ない。
何がありえないって、生徒会がみんな同じ人を好きになったってことが有り得ない。
同性愛は別に否定しない。従姉妹も同性愛だし。(女だけどねっ)
でもですよ?
高貴な人である生徒会のみんなが、たった1人にみんなで群がるってこと?
みんなのアイドル生徒会が……。
いや、偏見は良くない。きっとそれほど魅力のある人なんだろう。
どんな人だろう。
男だけど、モテる。みんなから好かれるとなれば、童顔とか、女顔とか、美人とか?
いずれにせよ男ということにはかわりがないけどね…。
「まぁ、そんなこんなで生徒会も人手がないんです。」
「あぁ。そうなんだ。だから生徒会に入ってくれないか。……あ、入らなくても、手伝ってくれればいいんだ。」
「……俺でよければ…いいですけど、なんで俺なんですか?」
「……ここ、金持ち学校だろ?だから常に気品が高くある必要がある。だけどそれは正直辛いしきついだろ?だから庶民の学校から来たお前にしか分からない庶民の楽しさというものが知りたいんだ。」
はぁー……なるほど。庶民に興味もってくれることはありがたい。
でもさ、なんでそんなに上から目線に感じるの……。
確かに平凡だけどね!!(〇`Д´〇)
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
6 / 154