アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
【"疑う"への執着】*副会長side
-
職員室を出た後、
ちらりと横目で立花を見た。
ー……確かに、ノンケかもしれない。
だけど疑いすぎた、と反省することが出来ない。
私にも恐怖はある。
彼には私が必要ないと気づいてしまう恐怖が。
私は疑う。それは自分の親だろうと、親友だろうと会長であろうと恋人であろうと。
そして結婚した相手にも。
これからもずっと疑い続けるだろう。
有本勇気……。私はあなたを忘れない。
そして疑う心を忘れない。
「……いた…。」
いつの間にか手を強く握りしめすぎていたようだった。
それほど憎い相手……。
きっと有本に会ったら殺してしまいそうな気がする。
……あぁ、誰か、私をこのドブのような闇から救い出してくれないか…。
苦しくて悔しくてたまらない。
自分を……殴りたい。
*
その後、生徒会室に向かった。
これでも仕事はたくさんある。
今まで残してきた仕事が山積みになって私を待っている。
バチが当たったな。
「会長、立花 遥燈を職員室まで送ってきました。」
「お疲れ。すまないな。転校生任せて。」
「いえ。これも仕事なので。」
「あ、そうだ。提案があるんだが、その転校生を生徒会に入れないか?人手が足りなくて困ってるんだ。嫌だったらいいぞ。」
「……いえ、大丈夫です。いいと思います。」
「そうか、よかった。じゃあ、HR終わり次第、連れてくるよ。」
「私が行きます。彼も顔見知りの方がいいでしょう。」
「そうか。わかった。」
……なんで自分から行くって言ったんだろう。
苦手なくせに。人と関わるのが。
まぁいいか。
会長……蓮夜には世話になっているし、これくらい。
しっかり、失った時間を取り戻さなければ。
それまで私は私であって私ではない。
そう、動くしかない。
*
2年C組に向かうと、立花 遥燈は生徒達に囲まれていた。
まぁ、無理もない。この金持ち学校に転校生なんて来ないから。
でも、彼も四方八方から飛んでくる質問の雨に困っているようだ。
こっちも時間かかるのは嫌だし、大声で呼んでいいか。
「立花さん、生徒会長がお呼びですので付いてきてください」
「あ……はい」
私の突然の登場に驚いたのか返事したまま固まってるから置いていこうと先へ行くと、後ろから
「待ってくださいーっ」
と声が聞こえたけど、あえて聞こえなかったことにした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
17 / 154