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【ライバルであり、友であり。】*副会長side⑨
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*
朝起きると、既に蓮夜は起きていた。
「おはようございます。」
「おはよう。あ、今日どうする?特にすることないんだよなぁ。」
「……さぁ?私は別にのんびりするのもいいと思いますが。」
「…のんびりなぁ。というか立花起きないと何も始まらないな。」
「そうですね。…でも、ここまで気持ちよさそうに寝てれば起こす気にもなれませんね。」
「…ふっ……立花は寝相が悪いな。腹でてる」
立花を見ると、本当にお腹が出ていた。
全く、こんな所に2人も狼がいるというのにあまりに無防備すぎる。
そんなんじゃ私と蓮夜以外に食べられてしまうんじゃないかと心配になる。
そのためにもしっかりと注意しなければ。
*
だいぶ時間が経って、9時半になっていた。
そろそろ起こそうと立花に目を向けると、蓮夜が立花のお腹を触っていた。
「やばいぞ陽ノ下。めっちゃプニプニしてる……」
「その前に寝てる人のお腹触るなんてことしないでくださいよ。」
「陽ノ下も触ってみたいだろ?」
……うっ。
「触りませんよ!」
ちょっと大声を出すと、立花が起きてしまった。
「ーーんぁ?」
「あ、起きた。」
「起きましたね。」
「え!?」
立花は自分の周りに蓮夜と私がいるのが不思議なようだった。そして自分の格好を知る。
「ぎゃあああああっ!!!」
「うぉっびっくりした」
「……騒がしいですね。」
「だっ、だって…!…なんで直してくれなかったんですか!!!」
「いや起きるかなぁと思って。」
「ここまで気持ちよさそうに寝てられると起こすのも億劫ですし。」
「あぁもう最悪……。」
立花は服を直して項垂れていた。
「それにしてもお腹凄いプニプニだな。女子みたい」
「というか、夜中足が乗っかってきて痛かったんですが。」
「副会長ごめんなさいっ
会長はなんで呑気に触ってるんですか……!というか女子みたいって失礼です!気にしてるのに!」
「だって触ってみたかったし。」
「触らなくていいですよ!」
……まるでコントみたいだ。
*
朝ごはん。本来ならもっと会話しているはずだが……。立花は機嫌が悪いのか一言も喋らない。
私も私なりに声をかけてみるがそうですねと言うだけで長続きしなかった。
凄い不機嫌だ。と思っていたら不意に話しかけてきた。
「今日はどうしますか?」
「あ、機嫌なおった。」
「違います。挽回しようと思って!」
「……ショッピング、行きませんか?」
……さり気なく立花をエスコートしてこの思いに気づけさせたい。
「なにか買いたいものが?」
「いえ、ただ3人で出かけたいな…と。嫌ですか?」
全くの嘘だが。
「いいえ。いいですよ。会長は?……ってなんて顔してるんですか。せっかくのイケメンがもったいないですよ。」
立花とともに蓮夜を見ると、すごく般若のような顔をしていた。
「…別に。陽ノ下……ちょっと来い。」
「………仕方ないですね。」
そう言って別の部屋で話した。
「なんですか。」
「なんですか、じゃない。お前手、出そうとしてるだろ。」
「いえいえそんなこと。」
「……お前が容赦ないなら俺だってとことんやるからな。」
「立花が強制を望むとでも?」
「……っ……お前だって有本の件があるのによくしゃあしゃあとしてられるな。」
「…、……。やっぱり、何も思ってなかったわけじゃないんですね。有本に冷めたと言った時から蓮夜は何も言わなかった。でもそれは、私自身を殺さないためですよね?」
「……だったら?俺は別にそんなこと思って無い。俺はただ一言でも文句言うと面倒くさい事になるから何も言わなかっただけだ。それに、失恋したばかりのお前が会長の俺にさえ見捨てられればぼっちで可愛そうだからと何も言わなかったんだ。」
「あーそうなんですね。じゃあ本当は私のことリコールしたいんですねぇ。だったらさっさとリコールすればいいのに。」
「そうすると俺と立花だけで仕事に手が回らないだろう。…………もういい。立花が待ってるから行くぞ。」
「……。」
私はそれ以上何も言わなかった。
それが本心ではないことを知っていたから。
部屋に戻ると、立花が私たちの顔を見て顔をしかめた。
「うわぁっ……。2人とも不機嫌ですね。」
自分を落ち着かせるためにも、立花を安心させるためにも、笑ってみせるが、普段笑わないからかうまく笑えない。
「別に何もありませんよ?」
「あぁ、特に何も無いよな。」
「ほ、本当に何も無いんですか?」
「立花。世の中にはな、知らなくてもいいことだってあるんだぞ?わかったか?」
「は、はい。すみません。」
蓮夜、それじゃあ何かあったも同然じゃないですか。
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