アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
イジメって何?(11/14)
-
「……?何だ?」
「…あ、いや…そ、そういえば先生は俺に何の用ですか?」
「あ?あぁ…真琴、お前政司と何があった?」
「……まさし?誰ですか、それ」
「あー…会長の事だ。あいつと何があった?」
「へ……?」
俺がほうけた表情で聞きかえすと、ホストがタバコの煙をふーっとはく。
「噂で聞いたが、お前あいつと色々あったそうじゃねぇか。
今朝の集会だって目をつけられていたしな」
「…俺は…悪くないです」
むすっとして反発すると、ホストがくっくっと笑った。
「お前、顔おもしろいな。怒るときに頬を膨らませる奴、初めて見たな」
「……!」
何 だ と ?
おま…っ、よくも遠慮なく人の顔をおもしろいとか言いやがったな。
教師としてそれはいかがなものか。あぁ"?
「そんなに怒るな。…ふつーは媚びるときにぷくっと頬をふくらませるもんだろ?」
「知らないし。それあなたの中の常識。傷ついたから謝ってください」
「はは、悪いな。真琴」
「……」
この人全然反省してない。めっちゃくちゃムカつくお。
そして窓くらい開けてほしい。この部屋、かなり煙たいんだが。
ホストの会話を聞き流しながら深くため息をつく俺。
すると、突然部屋の戸がガラッと開かれた。
振り向いた先に立つ人物を見て、驚きで目を見開く。
……そこに、噂のバ会長が立っていたから。
「げっ、バ会長…」
「…!お前は…」
会長と火花を散らすように視線を交わす。
ホストが自分の腕時計をちらっと見ると眉をしかめた。
「遅ぇな、政司。早く来いって言っただろ」
「来てやっただけでも感謝しやがれ」
「…ったく、お前は」
…あれ?意外と仲が…良い?
「…真琴」
「へ…ぃ!何ですか先生」
「こいつ、こう見えて俺の弟なんだ」
「……はぁ!?」
二人をちらちらと見比べる。
確かに……似てる。…無駄にイケメソなところも。
「弟がお前に迷惑かけたみてぇだしな。ほら政司、謝れ」
「何で俺が…!こいつ、俺の舌を思いきりかじったんだぞ?一歩間違えてたら死んでたかもしれねぇ」
「……どう考えても、舌をかじられる状況を作ったお前が悪いだろ…」
「…しかも殴られたし」
ホストのあとにこっそり付け足す。
すると会長が俺をギロッと睨みつけてくる。が、チッと舌打ちをして目を逸らした。
「謝ればいいんだろ、謝れば……………わ、……悪かった…な…」
「え?今なんて言いました会長?聞こえない」
「てめぇ、何ニヤニヤしてやがる!絶対聞こえてただろーが……!」
「え、まじ?」
自分の顔に手をあててみる。うお、ほんとだ、頬ゆるんでるぞ。
会長が恥ずかしそうに赤面してるのが面白くて、ついつい。
まぁその話は一旦置いといて。
「…俺、謝られても許しませんから」
「……何だと?」
会長が目つきを鋭くする。
それに対し、俺も負けじと睨みかえした。
「…長沢に謝らないうちは、絶対許さねぇ」
「長沢……?あぁ、あいつか。何で俺様があいつに謝らなきゃならねぇんだよ」
「……っ」
無償にイラッとしたから、胸ぐら(実際は手が届かなくてお腹あたりの部分)に掴みかかった。
ホストは間に入ることなく、俺達のやりとりをじっと見つめている。
「…お前、ちっこいのに無理して掴むなよ。まぁ、俺様の背が高いせいもあるが」
「ぐ…っ、……俺様俺様って気持ち悪いです。バカみたい」
「……っ」
すぐに顔赤くするし。
やっぱり無理して俺様って言ってんだな、この人。……話を戻して、
「この前、長沢に何て言いましたか?あんた」
「覚えてねぇよ、そんなの」
「…気持ち悪いって言っただろ、手首の傷を見て」
「……!」
「そのせいで…すげー苦しんでた。当たり前だろ、惚れてるやつにそんな事言われたら。
あんなに泣かせといてしらばっくれるんじゃないですよね?
謝ってください。つか謝れよ」
「……泣いた…?」
会長はそう言うと宙を見つめたまま固まる。
……何?
「…泣いたのか?」
「はい。俺、その事言ったばっかりですけど」
「別に俺は…あいつを泣かせるつもりは……。ただ──…」
「……え?」
……会長の口から語られる真実。
俺はそれを聞いて呆然としかけたが、はっと我に返って睨みつけた。
「あんたのツンデレは分かりにくいんだよ、ばかやろう。でも謝ってはもらいますから。会長はそこで待っててください」
俺はそう言うと戸をガラッと開けて部屋を出ていく。するとタバコを吸うホストに止められた。
「あ、おい、真琴…!」
「空気読んでください、先生!」
「あ?あぁ……」
家庭科室、どこだったっけ?
思い出せ、俺。
おぼろげな記憶を辿り、廊下を走る。
掲示板に“廊下は走るな”の貼り紙があった気がするがきっと気のせいだ、うん。
……お、あったぞ。家庭科室。
ガラッと戸を開け、名前を呼ぶ。
「長沢……!」
……みたいな展開にはならないんだな、残念ながら。俺にはそんな青春チックな事をする勇気は…ない。
扉の前で立ちどまり、トントンとノックをしてから開く。
「失礼します。あの……」
何か…ざわざわとして騒がしいな。まだ調理はしてなくて、グループごとに調理の計画を練っているようだ。
おかげで、誰一人俺の存在に気がついてない。
「……あれ?大崎?」
「…!長沢」
お、奇跡的にドア付近に立つ俺に長沢が気がついた。ちょこちょことした足取りで近づいてくる。
「…どうしたの?てか大丈夫……?息ぎれしてるけど…」
「あ、あぁ。悪い、ちょっと…」
腕を掴んで廊下へ連れだすと、長沢は俺の行動におろおろしながらもついてくる。
走って乱れてしまっていた呼吸を整えてから、俺は長沢をじっと見つめた。
「……ごめん」
「…えっ…!?」
俺が急に頭を下げたことに長沢が驚き、わたわたしはじめる。
「お、大崎…?」
「ごめん。俺、長沢に余計なこと言ってしまった」
「何のこと…?」
「会長」
そう言うと、長沢が複雑な表情を浮かべる。
「ぼ、僕会長のことは、もう……」
「長沢の見る目は間違ってねぇよ。…会長さ、ほんとはお前を傷つけるつもりなかったんだよ」
「…え?」
「聞くだけでもいいから。会長のほんとの気持ち聞いてやってほしい。……頼む、長沢」
長沢の瞳をじっと見つめて訴える。すると長沢が頬を赤くして俯いた。
「わ……わかったよ。わかったから……そんなに見つめてこないで。……恥ずかしいから…」
「……っ、悪ぃ」
長沢の赤面する姿に俺は我に返ると、長沢の手首を掴んでいた手をパッと離す。
それから会長達のいる部屋へ一緒に向かった。
「…長沢は会長のために何をしても報われなかったって言ってたけど、それは違う」
「…どうして?」
「会長は長沢の努力にちゃんと気がついてたし、認めていた。
けど、素直になれないからあんな事言ってしまったんだよ。ほんとは……うだっ!」
「お、大崎…!大丈夫?」
「……」
大事なところで決まらねぇっていう。
……自分の足で引っかかって転んだ。
べちゃって感じにね。
そんな俺を長沢が笑う事なく、心配した表情で手を差し出してくる。
どうせなら笑ってくれ、こんな俺を。
そんな風に心配されると逆に情けなくなってどうにかなりそうだ。
穴があったら入りたいってこういうことか…。
「…大丈夫?ケガしてない?」
「あぁ…」
小さく頷き、立ち上がる。何で俺はこんなにカッコ悪いんだろうか。
……イケメンむかつく。会長ムカつく…!
別に八つ当たりくらいしてもいいよね。
とぼとぼと残りの道のりを歩いていき、目的地に着く。一応ノックをしてガラッと戸を開けた。
「失礼しま……う…、げほげほっ!」
何この部屋、タバコの煙が充満してるんだけど。
長沢の手を引いて中へ入った後、ずかずかと窓のほうへ足をすすめてガラッと開けた。
「煙たい。臭い、先生。短時間に何本吸ってるんですか」
「臭いって言うな」
「何度だって言ってやりますよ。臭い。若いうちからそんなに吸ってると絶対病気になります。…イケメソだから調子のるなし。どうせすぐにおっさんになるんだから」
「おっさ……!? つか最後の部分、タバコに関係ねぇーだろ。真琴、何イライラしてんだよ」
「…別に」
そっぽを向きながら長沢の元へ戻る。
その際、会長の足をぎゅむっと踏んでおいた。
「痛…ッ!てめ…っ」
「ほら、長沢に話してください。ほんとは何を言いたかったのかを」
気まずそうな表情の長沢の手を引き、会長の前に連れていく。
会長は頭をがしがしと掻くとぶっきらぼうに話し始めた。
「……お前は他の奴らみたいに抱いてって迫ってこねぇし、それに雑用だって笑いながら引き受けてたよな。
その点では…………感謝…している。……まぁ、ほんの少しだがな。米粒程度だ」
余計なこと、最後に付け足すなし。
素直に認めろよ。
「それでな、ある話を小耳に挟んで……お前のその手首の傷の噂だ」
「……っ」
長沢が大きな瞳を揺らす。その小さな手は震えていた。
てか早く誤解とけよ。
いちいち話を区切って長沢を心配にさせるな。
「この前確認したら、本当に傷があった。……俺は…………」
会長はそこまで言うと、口を閉じて視線をさ迷わせる。
だ か ら 早く言えよ。
ツンツンしてないで早く吐き出せ。
やるときはちゃんとやれよ、お前男だろ。
早く言わないと男のシンボルを根こそぎブチ取るぞ、こら。
……会長と目が合ったため、ギロッと睨みつける。すると会長が軽く舌打ちをして、重い口を開いた。
「……心配だった」
会長がそう呟くと、長沢が少し目を見開いて会長のほうを見た。
少し開いた窓の隙間から風がふき、カーテンを踊らせる。
「……やめてほしかった。
その行為を繰り返してるといつか深く切っちまって死ぬかもしれねぇだろ?
だから"気持ち悪い"って言えば、やめてくれると思ったんだよ。
……だが、結局お前を苦しませてしまったみたいだな」
再び会長が視線をさ迷わせはじめたから、その視線を捕まえて再度睨みつけた。早く言いたまえ。
「な……長沢」
「……!はい…」
「………………すまなかった。
泣かせるつもりは全くなかった。……それと…いつも感謝している」
そう告げる会長の姿を、長沢は目を見開いたまま見つめていた。
「…ふん…、俺様がこんなに謝ることなんて中々ないんだからな。感謝しろよお前ら」
うっわ…、そんな分かりやすい照れ方されても困る。
会長の発言に俺はげんなりした表情を浮かべたが、長沢はクスクスと笑った。
「……ありがとうございます、会長。
大崎も、ありがとう。…ほんとのこと、聞けてよかった」
長沢はそう言うと、こぼれかけていた涙を拭いながら微笑んだ。
「……これで満足か?大崎。俺はきちんと謝ったからな。だから早く許しやがれ」
「今回は許します。…けど、また長沢を泣かせる事をしたら許しませんから」
「だ、大丈夫だよ、大崎。僕、会長の事で泣くことはもうないと思うから」
「……え?」
振り返ると、長沢が俺の制服の裾をちょこんとつまみ、呟いた。
「……僕、他に好きな人ができたんだ」
「え"…!?」
だ、誰だよ…。
こんないたいけな天使を射止めたのは。
ずる…っじゃなくて、ただ者じゃねぇな、そいつ。
「…だ…誰?」
「えへへ、……秘密」
「う…」
長沢は可愛らしい雰囲気でそう言い、俺の質問をはねのける。
「……ヒントは?」
「え…?うーん……会長みたいにすごくかっこよくはないけど…心がね、優しいの」
「へぇ…」
思わず目を線にしてしまう。
心が優しいか……いいな。
俺はイケメンを見るとすぐ嫉妬する、心がすんげえ狭い男だし。外見も中身も最悪すぎる。
「あのね、僕…」
「うん?」
「気がついたんだ、会長に対する"好き"の気持ち。
人前に立って輝いてる会長に憧れてた。
憧れの好きと、恋愛感情の好きの違いに気がつけたんだ」
「……」
憧れの好き……旦那に対する俺の好きと同じ意味だろうか。
「…今長沢が好きな奴って、どっちの好き?」
「恋愛感情の好き…だよ」
「……そっか。頑張れよ」
何か相手の奴がムカつくけど、できる限り応援しようじゃないか。
俺の言葉に何故か長沢は少し苦笑したが、目が合うとふんわりとした表情で笑いかけてきた。
「ありがとう。頑張るよ、僕。覚悟しててよ、大崎っ」
「え?」
「えへへ、何でもないよ」
会長のほんとの思いを聞けたからか、長沢の表情がすっきりしてるように見える。
長沢の笑顔につられて、俺も少し頬を緩めた。
「……じゃあ、僕行くね」
「ん」
小さく頷き長沢の背を見送る。が、途中で長沢が振り返った。
「大崎って図書室にいるんだよね?作ったらすぐに届けにいくよ」
「あぁ…んー…いや、俺が長沢のところに貰いにいく。わざわざ来てもらうのは悪ぃし」
あと、出来立てを食いたい。
「え…いいの?えっと…じゃあ今から一時間後に来てくれる?」
「わかった。じゃあな」
にこにこと笑いながら部屋を去っていく長沢。
俺は緩みかけていた頬を引き締め、部屋の戸を閉めた。
振り返った先には呆然とした表情で突っ立っている会長と、窓側に寄り掛かりタバコを吸ってるホストがいる。
「俺様が……お前みたいな奴に負けた…だと?」
「……は?」
何を言ってるんだ?この人。
眉をひそめてると、会長が突然ぐわしっと俺の顎を掴んできた。
「いでっ、痛い!何すんですか!」
「どう見ても俺のほうがイケメンだろ。くそ…っ」
「おい、やめとけ政司。素直にならねぇからフラれたんだろ、てめぇは。…ククッ」
ホストは俺の顎を掴む会長の手を払うと、ニヤッと笑ってからかう。
すると会長が頬に朱を走らせた。
「チッ…、はじめから長沢には恋愛感情は抱いてねぇよ。俺はフラれてねぇ」
「お前は素直になりゃ、それなりにいい奴なんだけどな。
真琴、こいつ道端に段ボールに入った捨て猫がいれば放っておけねぇ奴だぞ」
「へー…意外に可愛いところあるんですね」
「……!お前…っ」
顔を真っ赤にして睨みつけてくる会長。
からかいがいがある人だなぁ。
半笑いで見てると、会長が俺に睨みをきかせながらブツブツと文句を口にする。
「大体、お前いつ真知と仲良くなったんだよ」
「え?」
「てめぇの告げ口のせいで腰がボロボロになったぞ。くそ…っ」
「……」
やっぱり副会長だけでなく会長もヤり殺したんだ?真知先輩……。
「…会長は俺様だし…ヤり返したりしないんですか?」
純粋に思ったことを口にしてみた。
体格的にも会長のほうが大きいわけだし。
「ヤり返そうとしたら……ひでぇ目にあった。
あいつは自分の体格や力量をきちんとわかってやがる。足りてない部分をちゃんと補っているからな」
「…なるほど」
襲われたときの対処法をしっかり極めてるってことか…?
ずる賢そうだしな、真知先輩。
「……ってそうだった、こんなとこで時間つぶしてるとまた真知の奴にしめられちまう。
兄貴、もう行っていいだろ?」
「あぁ」
会長は教室から出ていく際、俺をギロッと睨んで去っていく。
だから俺も睨み返しておいた。舌をかじった時点で会長にすごい嫌われてるな、俺。
……ホストと二人きりになり、沈黙が急に訪れる。何か……話さないと。えっと、えっと…、
「せ、先生は何か悩み事があるんですか?」
「……は?」
「だって、その……今日とか昨日の授業中、やたらぼーっとしてたし…。問題もいくつか間違ってました」
「……間違ってた?何で指摘しねぇんだよ」
「だってそんなこと言う勇気ないし……あの、俺も先生に悩み事聞いてもらいましたから…よかったら話してください…」
おずおずした表情で言うと、ホストが眉をしかめて俺にタバコの煙をフーッと吹きかけてきた。
「うわ…っ、ケホケホッ、おえ…っ。何するんですか…!」
「お前がそれを言うか。誰のせいでペースを崩しちまってると思ってんだ」
「え…、どういう意味ですか?」
「うるせぇ、ガキ」
「な…っ!」
ガキガキってうるさいな。そんな事言われるのは旦那だけで十分だよ。
眉をひそめてそっぽを向く。
「…ひでー顔だな。真琴は昔からそんなむすっとした顔してるのか?」
「……悪いですか」
「中学生の頃からずっと変わってなさそうだな、お前」
「そんなことないです。中学生の頃はもっとチビで童顔でした」
「今もチビで童顔だろ」
「ぐ……っ、中身も外見も成長してます…!あの頃はすぐ諦める癖があったし、ちょっとぐれてました」
「お前の場合ぐれていても怖くなさそうだな」
「……」
悪 か っ た な 。
「そんな怒るな。悪いとは言ってないだろ」
「……」
ソファーに腰を下ろし、コーヒーをずずっと飲みほす。
「……おかわり」
「お前、やっぱり見た目のわりに言うことやること大胆で図々しいな」
「ありがとうございます」
「褒めてねぇよ」
ホストがコーヒーを入れるため、俺に背中を向ける。
その隙をついて、灰皿においていた吸いかけのタバコをぎゅっと揉み消す。
「……ほらよ、って真琴!何してんだよ勿体無ぇ」
「俺の前でタバコ吸わないでください。それにこのタバコの匂い、臭い」
「もったいねぇ…つか臭いって言うな」
「あ、コーヒーありがとうございます」
ショックを受けた顔をしているホストの手から、コーヒーを奪いとり口をつける。
インスタントでもおいしいコーヒーはおいしいよ、うん。
「…はぁ…、お前は気ままでいいな」
「そうでしょう?」
「開き直るなよ。…ったく」
ホストは俺の隣に腰をかけると、重いため息をつく。俺はそんなホストの横顔をじっと見ながら言った。
「…先生って、中身がしっかりしてますよね」
「は?」
「ちゃんと生徒の事を見てるし…。教師の鏡っぽいです。見た目はだらし無いけど」
「最後のは余計だ」
ホストはそう言うと眉を少ししかめ、しきりに両手の指を交差させる。
そわそわしてるな……やっぱりタバコが吸えないからか。
「…あ…、先生は生徒と関係持ったことあるんですか?」
俺が突然そんな質問を吹き掛けると、ホストがゴホッと咳き込んだ。
「…急になんだよ」
「だって、先生モテるし…朝のHR、黄色い声すごいじゃないですか。
会長もモテモテだし…先生はどうなのかなって思って」
まぁ、別にそんなことには興味ないんだけどね。何となく聞いてみた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
28 / 63