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見えない壁(3/5)
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「毎日揉んでいれば段々柔らかくなるよ。俺がやってあげる」
そう言って両手でもにゅもにゅと揉み始める西條。
普通ならここで真琴が、「ん…っ!」やら「あ…ッ!?」等エロい声を出すが現実の真琴は違う。
「痛えっ…!何すんだてめ、この野郎。殴るぞ」
「うん…いいよ」
「…、ドMの扱いって難しいな」
なかなか、流される事がない男前な真琴きゅん。そんな真琴も好きだ…。じゃなくて…!
「西條!やめろ!」
「…また邪魔するんだ?あとで覚えてろよ」
「おい、ケンカするな。昴に手を出したら許さない」
「うん、分かった!」
「……」
…西條の態度が俺と違いすぎてむかつく。
俺だってほんとは真琴の尻を揉みた…ごほん、西條は少し自重するべきだと思う。
真琴を挟み、西條と睨み合いをしながら教室へ行く。目当ての教科書を持ち、それから寮へ向かった。
……夕食を一階の店で購入しようとすると、真琴は俺達を置いて先に部屋へ行ってしまった。
どうやらまたカップ麺を食べるらしい。
真琴って食が細いよな…。
西條と買物を済ませて部屋へ行くと、真琴は風呂に入っていた。
覗こうとする西條を押さえながら、夕食を摂る。すると風呂から上がった真琴がしかめっつらをした。
「お前ら、ご飯くらい静かに食えねぇの?」
「ちがっ、西條が覗こうとしてたから!」
「あ、そうなの?さんきゅ。次、誰が風呂に入るんだ?」
「俺が「俺!西條を真琴の後に入らせてたまるか…!」
西條の言葉を遮り、手を挙げる。
風呂に入ってからも、真琴がこの間に襲われたらどうしよう……と思ってしまい、落ち着けない。
まぁ、心配するような事は何も起きなかったけど。
西條が風呂に入っている間、俺達は歯を磨き、すぐに勉強できる状態にしておいた。
「……何か、昴の表情よくなったな」
「え?」
「ずっと落ち込んでた顔してたけど、今はすっきりしてる。……俺が好きな昴だ」
「……!」
そんな事言われるとドキドキする。
真琴ってほんとに天然タラシだ…。
「…なぁ、一つ聞いていいか」
「…?どうした、昴?」
きょとんとした顔で、真琴が首を傾げる。
…一々可愛いすぎんだよ。このままだと、まじで萌え死にしてしまう。
「さっき、西條から聞いた。……西條のほっぺにキスしたって本当か?」
「……!あぁ…あれね。成り行きでそうなっただけ。それがどうかした?」
「……西條だけずりぃ」
「え?何だそれ。お前もしてほしい、みたいに聞こえるんだが」
「…してほしい」
即答すると、真琴が複雑な表情をする。
多分、「何でされたいんだ?」とか「野郎にしたくないな…」とでも思っているんだろう。
「西條にできて、俺にはできないのか?真琴は俺が嫌い…?」
「ちげーよ、ばか。好きだ」
わざと意地悪をして、聞きたかった言葉…「好き」を真琴に言わせる。
「……分かったよ」
真琴はそう言うと、居間のソファーに座っている俺に近づいてきた。
そして俺の肩に手を置き、額にかかっている髪をかきあげる。
そして屈むと、俺の額にちゅっとキスをしてきた。
──まさか本当にやってくれるとは。
頬にじんわりと熱が集まっていくのを感じた。
「……はぁ…。一日で二回も野郎にキスしてしまう日が来るとは…」
真琴はうなだれると、俺の隣にドサッと座り込む。そして天井を仰ぎ、目を閉じた。
熱……、顔めちゃくちゃ熱い。
真琴は涼しい表情をしているけど、俺はその真逆だ。
左隣に座る真琴から、シャンプーのいい香りがする。座る位置を少し変えたら肩がとん…と触れあった。
「……ッ」
思わずビクッとして体を動かすと、今度は真琴の手と俺の手が触れあってしまう。
真琴は気がついてないのか、相変わらず目を閉じたままだけど、俺の心臓はバクバクだ。
……触れあった指が異常に熱く感じる。
…勇気を出して、その手を握ってみた。すると、真琴がピクッと眉をひそめる。
「ご…ごめん。気持ち悪いよな」
「……好きにしろよ」
真琴は目を閉じたまま素っ気ない返事をすると、小さなあくびをした。
嫌がって振り払われなかったことに、何とも言えない嬉しさが込み上げてくる。
「……真琴…」
「…何」
「好き。…大好き」
「俺も」
「うん…」
前は“好き”の本当の意味が伝わらなくて落ち込んでいたけど、今は違う。
真琴のこんな傍に、近くにいれて幸せだ。
目をつぶった真琴の横顔を見て、思わず頬が緩む。
あ…、唇…。
さっき、あの柔らかい唇が俺の額に当たったんだよな。やべ、またドキドキしてきた。
艶があって色づきのいい唇を食い入るように見てしまう。
…………キスしたい。
無防備な真琴を抱き寄せて、唇を重ねたい。
もちろんしないけどな。
しかしムラムラす…げふんげふん。
真琴のキスを受ける顔って…どんな感じなんだろ…?
やっぱり、真琴は少し強気だから眉をしかめていそうだな。
んで、顔を真っ赤にして、ぎゅっと目をつぶって……。口も、ぐっと引き締めていそう。
耳まで赤くして、「…早くしろよ」って言ってそうだ…。
そんな真琴を見たら…俺、間違いなく押し倒す。理性を保てる自信がないし。
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