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ep18
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教室を出てから全速力で走って田原がいそうなとこを探し回った。
...正確には田原達、か。
おれが来るとわかっててアイツが一人でいるわけがない。
「......っ...はぁ...っ」
田原が前に溜まり場にしてた場所は粗方探した。
なのにどこにもいなかった。
走り回ったせいで息を上がらせなが壁に拳を叩きつけた。
鈍い音がした。
手が痛む。
「クソ...がぁ...!!」
頭に血が上った状態では余計にアイツを見つけられなくなるのはわかっている。
でもおれは完全にキレてた。
「アイツが入れるとこ...全部探した...」
俯きながらボソッと呟く。
足元に転がってた鉄パイプを拾って骨が軋む程強く握った。
「...あとは、鍵が掛かったとこ、だけ...」
ゆらりと体が傾いて倒れかけた後体制を直して歩き出した。
もし鍵が掛かっていて入れなくても壊せばいいだけ。
おれは怒ってる。
多田が大事だから...じゃない。
...実の所まだ最近知り合った奴に思い入れなんかない。
田原には多田を、おれのオモチャを取った責任を取ってもらうだけだ。
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