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ep20
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体育倉庫の扉が吹っ飛んでいた。
「...ふ、藤吉」
田原と他の不良達が一斉に猛獣を見る様な怯えた目付きになる。
その視線の先には、藤吉君がいた。
「......田原...」
藤吉君の体がゆらりと傾く。
鉄パイプを持った手が後ろにいき、一歩踏み出したかと思うと次の瞬間には近くにいた不良が血を撒き散らして倒れた。
「えっ...は?なに...」
田原が困惑の声をあげる。
何が起きたのかと俺を含めその場の全員が呆然として目を見開いていた。
「...あ゛あ゛ぁぁあ...!!」
鼻から血を流して痛みに呻く不良の声にハッとする。
...藤吉君は鉄パイプで...あんな硬い凶器で人の顔を殴ったのか...?
急激に頭が冷える。
「テメェ...!!」
「藤吉君...だめだ...!」
仲間がやられて頭に血が上り襲い掛かってきた不良の攻撃を交わして藤吉君はその足に鉄パイプを振るった。
「ぎゃああ゛あ゛...!!ひっ...うぅぅ...」
「はは...」
倒れ込んで足を抑える不良を見て藤吉君が笑った。
静止の声をあげた俺の事なんて全く見てない目だった。
周りの不良が藤吉君から距離を取る。
「ふ、藤吉...悪かった...!そ、そんな怒るなんて...悪かったから逃がしてくれ...」
一人の不良が降参の声をあげる。
藤吉君は緩慢に振り返った。
「久々に売られた喧嘩...止めるわけないじゃん?」
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