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出会い9
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「お兄さんって、ヤから始まってー、ザで終わる、3文字のー、強面のおじさん達の仲間なんですかぁ?」
ヤクザ……面倒臭い聞き方しやがって。それが当てはまるモノなんてこれしかないだろ。
「あぁ、そうだな。」
(…あぁ、乗せられた。)そう思うも時すでに遅し。
コイツが余りにもふわふわした雰囲気でノンビリと、かつ可笑しな聞き方するせいで気が緩んでいた。
資金源でも敵対組織でもない奴にサラッと俺の職業を教えてしまった。普段なら絶対に犯さないミスだ。
「あ、いや、今のは、つい。」
「そんなに焦らないでくださいよー。普段は職業聞かれたら何て言ってるんですかー?そもそも聞かれることあるんですか?」
諦めよう。この男相手に誤魔化そうなんて考えても無駄だ。
「漁師とか教師とかSEとか…コレしてる奴がいてもおかしくない職業」
そう言って自分の右腕に目線を向ける。普段見えているのは鎖とそれに繋がる錠の刺青。
「教師だと親御さんや理事会に指摘されません?」
「教師でも墨入れてる奴はいるし、隠せばいいだけだろ」
「ふーん。そんなもんなんですかねぇ」
ゆで卵の黄身だけをくり抜いて食べる隣の男。小学生みたいな食べ方するなよ、だらしない。しかもここ一応飲食店だし、ほかの客もいるのだが。
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