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出会い11
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その後も色々と情報を聞き出そうとしたがなかなか口が固い。コイツの可愛がっている生徒や学校のことはいくらでも話すくせに、普段の通退勤の時間や手段も趣味も大学時代のことも話題に出せばあからさまに話を逸らされる。
そこまで話したくないなんてよっぽどの理由があるのか。会って間もないから今回は深くは聞かない。
それでも、何も分からないわけではなかった。
例えば、軽く着崩したワイシャツから見えるそれ。鎖骨の少し下あたり。丸い跡が幾つか。仕事で見慣れてしまった根性焼きの跡だ。
それと、会話中全く目を合わせようとしないこと。そういえば、コイツと目が合ったのは、ゲーセンで呆れる話を聞いた時が初めてだった気がする。と言ってもその前はバーで数時間隣にいただけだけだから、目が合うことなんてないんだが。後は、コイツが体育と政経と数学の教員免許をもっている事。教員免許の多さな。これが1番驚いた。
飯も食い終わって、この男の要望で立ち寄ったアイス屋でのデザートも終わって、別れ際。
「お兄さん。今度はいつ会えますー?またバーで話しましょう?」
俺から声をかけようにも、俺みたいな職業のヤツと今後は関係を持ちたくないのでは、と思って声を掛けられずにいたからありがたい誘いだ。
「兄ちゃんがいいならいいけど。」
「じゃあ、来週で。いつでもいいんで日曜日以外でこの間の時間に来てください。俺、毎日行きますねー。」
「連絡先教えてくれれば行ける日連絡するけど。」
「んー、連絡先は次会った時に交換しましょー?
今日はご馳走様でしたー。またタンデムさせてくださいねー。」
そう言って俺に背を向けて歩き出す男。尾行して家を突き止めようかとも思ったが、今日はバイクで来てるし仕事も残っているため、仕方がなく事務所に帰ることにした。
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