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接触(2)5
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雅の仕事内容はやはり、褒められることではなかった。
客の性別や年齢は関係なく指示されれば食事から入浴から下の世話から情事まで、基本的に何でもする。店で禁止されていることや、あまりにもやりたくないことは断ったり、場合によっては支配人を呼んだりするらしいが、そんなことをすると売上に影響する事がある為、支配人にはかなり怒られるらしい。
しかも、禁止事項は体を交える際に病気をもらう可能性のある行為と撮影程度で、拷問やらSMやら羞恥プレイやらは許されているようだ。
この店は雅の恩人の恋人が経営しているらしく、恩人は既に亡くなっているらしい。その恩人に言われた事だから、今もこの仕事を続けているという訳だ。
だがこいつは客相手に勃たないらしい。こいつの恩人が唯一、勃った相手で、心を許した相手らしい。客相手の時は毎回薬を飲んで無理矢理しているというのだから相当辛いだろう。
そんなにその恩人とやらの言うことには拘束力があるのか。だってもう、そいつはこの世にはいないんだろ?それに、雅が本当にその恩人に心を許していたのかも甚だ疑問である。
仕事の話をしている時も、恩人の話をしている時も、淡々として見えるが、目の焦点が合っていないし、無意識にだろうが手を固く握っている。
聞くに耐えかねて「もういい、無理するな。」と声をかけたが、「聞きたくないよね、ごめんね?俺、汚いし、近くにいない方がいいよね」と覚束無い足取りで離れようとするから、思わず、抱きしめた。
「お前は汚くねぇよ、雅。辛かっただろ?今まで、よく頑張ったな。俺が何とかしてやる。」
少し抵抗されたが、俺が力で負けるわけねぇ。諦めて、大人しく抱きしめられていてくれる。
「なんとかって…でも、俺、あの人は裏切れない」
「いいから、俺にも、心許して」
「……その人以外に心許すなって言われてる…」
「…大丈夫だから、ゆっくりでいいから。俺にもお前の不安、分けて。」
「ん……」
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