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始まり6
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「雅の携帯はないのか?」
「ありますよ、そこに。…電源は切ってるみたいで連絡しても連絡つかないし、触ってるの見たことないですけど。」
"切れている"ではなく"切っている"。返信がなかったのはそのせいだろうが、一見しただけでは電源が切れているのか切っているのかは分からないはずだ。
「……そうか。雅から相手の事とか聞いてねぇのかよ」
「…うーん、聞いてませんね。教えらんないですよ。」
"聞いてない"と言いながら"教えられない"とも言う。
嘘をつけないのか、つき慣れていないのか。どちらにせよわかりやすく教えないと言われて腹が立つ。
病院は嫌だ、点滴も嫌だ、物は食えねぇ、薬も飲めねぇ、1人で何かするには時間も体力も必要な状態なのにその体力すらない。今はなんとか茶髪の父親が来て怪我の具合を診ているらしいが、治りは遅いらしい。
雅をこんな目に遭わせた奴はいつか必ず殺してやるとして、今は怪我と体力を回復させることに専念しようと思う。
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