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始まり12(雅side)
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気づいた時には、自分の家だった。
時間を確認するために時計を見ようと頭を動かすと、視界が揺れる。
何があったのかよく覚えてないけど、考えるのは怠い。
それでも、1度覚醒した意識は落ちることなく、この状況になった原因を思い出そうとしてしまう。
「雅くーん…あ、起きてる?体調どんな感じ?」
「優人ー?悪ぃな。体調は大丈夫だよ~、超元気〜」
大丈夫、頭は痛いけど体調は悪くない。
だけど、自分がどれくらいの間眠っていたのかも、なんで優人が俺の家にいるのかもわからない。
「…っ!優人、ごめん。ちょっとしゃがんでて」
自分が横になっているせいで、近づかれると必然的に見下ろされるかたちになるのが怖い。
「優人、先生の体温測ったのか。…あぁ、お目覚めでしたか。勝手にお邪魔して……」
「来るなっ!!何故ここにいるんだ、殺され「雅くん!それ、俺の親父!会ったことあるだろ。」…あぁうん、こんにちは優人パパ……」
体格が良くて低い声、ラリったような男達と腹違いの弟。あまり覚えていない記憶がフラッシュバックする。
(ー母さんがあんな逃げ方許すわけないだろー)
(ーアンタの彼氏、そろそろアンタの事捨てたがってるんじゃない?ー)
(ーどうせ、同情でかわいがってもらってるだけ。あの人も両親に捨てられたっていうしなー)
寛貴が言っていた言葉たち。全然覚えてないけど全てが心に刺さってる気がする。
「雅くん、大丈夫だよ。ゆっくり俺に合わせて息して。…大丈夫、ここは安全だよ。」
ふわっと抱きしめられたと同時に背中を撫でられる。ビニール袋を口元に持ってこられて、何度も耳元で大丈夫と繰り返される。
数分で落ち着いて、優人パパと改めて挨拶をする。声だけだとまだ怖いけどちゃんと顔を見てれば怖い人じゃないってわかる。
聞きたいことは色々あるけど、大和も来るらしいのでその時にまとめて話をすることになった。
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