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始まり14(雅side)
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あの夜から5日目
眠れない日が続いてから4日。
怪我をしてるし、眠れないしで体調を崩した。
毎日のように寛貴が玄関先に来る。
最初の日は前日に寝すぎてたせいで眠れなくて、たまたまチャイムに気がついた。誰かわからなくてなんとか玄関まで行くと寛貴の声が聞こえて動けなくなった。
騒ぐわけでも、何度もチャイムを鳴らすわけでもなく、ただ1度鳴らすだけ。そして、暫くしてから新聞受けに何かを入れて帰る。
足が竦んで中身は確認できないでいる。
何も害はないけど恐怖が半端じゃない。
怖くて家から出られないし、毎日来てくれる大和と優斗と優斗パパも危険に晒してしまう。
それを言ったら3人は必ず2人以上で行動することになった。そーゆぅ問題じゃないと思うんだけど…
ポストの中に入ってるものは俺は何か知らない
まま捨てられた。絶対いいものじゃないよねぇ。
でも、誰かがいてくれるなら少しは考えなくてすむ。
…寛貴のことも、翔さんのことも。
体調を崩してから3日くらい経っても、まだ良くならない。寝ないし食べないからだって怒られた。
優斗と大和が来てくれてる時にボーッとしてると翔さんが来た。何しに来たの。
今は怠くて話したくないからまた今度にしてもらう。
そう思ってたのに、気がついたら大和と優斗はいなくて翔さんがいるし、「安全なところに連れて行く」って言われたけど、嘘かもしれない。
俺を支える翔さんの体温は暖かくて、手は冷たくて、寛貴の言っていた事が本当かもしれないし、翔さんに対する感情も本当だし、感情がごちゃ混ぜになって投げやりになる。
寛貴たちに襲われた夜のことは覚えているけど、そのほかのことは全部頭の整理がついていないんだと思う。
翔さんに触れられている安心感で、睡魔とともに落ちていく。
きっと、この安心感もあと少しでなくなっちゃう。
捨てられる前に、翔さんの暖かさはいい思い出として残しておく為にも、自分から居なくならないと。
だからあと少しだけ、一緒にいさせて。
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