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失踪 3
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雪side
テストが終わった。
先輩たちに会いたくないなと思って
メールだけ入れて家に帰った。
「疲れたな…」
アオは、あの日から寮に帰らず
家に泊まりに来ていたが
昨日、ようやく精神的に安定したらしく
寮へと戻っていて、家には僕一人だ。
「お兄ちゃん…、寂しいよぉ……」
いつも、この時期は不安で
しばらくの間、入院した事もあるくらいなので
僕は、本当に可笑しいのかも知れない。
小さい頃、異常な暮らしをしていたから
苦しさは痛みには疎くなっている。
血が流れれば、"あ、痛いやつだ" くらいには
思うけれど、それ以外の怪我では
たとえ骨が折れていても、ゆっくりなら歩けるし
手も、普段通りに動かす事が出来ていた。
突き指に至っては、全く痛みが分からない。
「ねむぃ…」
そしてまた、僕は意識を手放すように
ベットに倒れこみ、
そのまま目の前が真っ暗になった。
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