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出逢い 1
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澄和side
「よし、こんなもんか」
ふう、と息をつき粗方片付けが終わった部屋を見渡す。
俺───柊 澄和(ひいらぎ とわ)は今日、一人暮らしには大きすぎるこのマンションに引っ越してきた。
前のマンションでも充分すぎるくらいだったのに、どれもこれもあの人はいいからいいからって。
贅沢すぎる。
荷物や家具を運んできたのは朝なのに、気づけば時計の短針は2を指していて。
知らない間にずいぶん時間が経っていたらしい。
「…お腹空いたな」
冷蔵庫には調味料しかない。スーパーに行かないと。
ビュービューと北風が吹きつける。
息を吐くとそれは白色になってふわふわ空気に消えていった。
さっむいなぁもう。寒いのは苦手だ。
食料だけを買うつもりだったのに、電池やら洗剤やら必要なものを買い足しているうちに日は暮れかけていた。
西に傾いた陽の光の中、手と手を擦り合わせながら帰路を急いだ。
ガチャ、とドアを開けると広がるのは見慣れない部屋。
微妙な寂しさをちょっとだけ感じながら買ってきた食材をしまう。
よし。
これだけあれば明日は買い物行かなくても大丈夫かな。
慣れないキッチンに苦戦したけどなんとか料理を終え、本日初の食事を摂った。
「はぁ〜お腹いっぱい」
満足満足。
スープと炒飯、我ながら凄く上手く作れた。
食器を洗いソファーにごろっと横になる。
あ。
そういえば、上下両隣の住民さんに挨拶しに行かないとダメなんだった…!
今日はもう遅いし、明日行こう。
日曜日だから丁度いいや。
そんなことを考えつつも引っ越しで疲れていたのか、いつの間にか俺は眠りについていた。
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