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電話の男 6
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「俺、着替えてきますね」
沈黙を破ったのは澄和だった。
あぁ、と返事はしたが頭の中はさっきの事でいっぱいだ。
保護者ってどういう事だ?
年齢を大きく見積もっても俺より少し年上くらいなはずで、どう考えても本当の親という歳ではない。
かといって兄弟というのも考えられない。
2人とも恐ろしく美形というのは一致している。
けど、顔のパーツにしても雰囲気にしても似ているところは全くないし、そもそも兄弟なら保護者という表現はおかしい。
しかも、柊の家は極道ときた。
柊 千景の方はともかく、澄和からそんな感じはとても感じられない。
脅されているのかと一瞬焦ったが、前の電話からもそうだったように澄和の懐きようからしてそれはない。
それに加え、足の付け根の黒子見えてしまうぞ発言。
ただの関係ならそんな場所の黒子なんて知り得ないし、前に澄和がハーフパンツ履いてたことをなんで知ってる?
あぁ、頭がパンクしそうだ。
今澄和としっかり対面すれば、とんでもない事を口走ってしまいそうで。
…今日は流石に泊まる気分にはならない。
悪いけど帰るな、と。
澄和が戻ってきたらそう言おうと思うのになかなか戻ってこない。
ふと、記憶が蘇る。
数週間前、俺と澄和が仲を深めるきっかけとなったあの階段での出来事。
苦しそうに喘ぐ澄和の姿が、今さっき起きたことのようにはっきりと記憶に浮かび上がる。
なんとなく嫌な予感がして様子を見に行こうとした、その時。
ガタンッ。
夜の静けさを破るような音が、耳に飛び込んできた。
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