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ベンチに残された僕は家に帰る訳にもいかず、近くのコンビニで紙袋を買って生徒会長のジャンパーをその中へと丁寧に畳んでいれた。
さて困ったものだ。
僕は生徒会長…否、クラスの人とも話したことがない。
というか、僕が話しかけると皆嫌な顔を向けるし、第一なんて話しかければいいのかすら分からない。
…… どうやってジャンパー返すか。
そんな事を考えながら歩いていたら、いつの間にか自分のクラスに着いていた。
いつも通り教室の片隅…窓側の席へと腰をおろす。
近くのクラスメイトは小声で僕の方を見て「なんか臭くね?」「まじだw」とひそひそ話。
やっぱり昨日お風呂入ってないのが臭ってるだろうか… 僕は 髪の毛で顔が隠れていることをいい事にハハッとかわいた声で笑った。
「なぁ ~ 晃 ~ 数学の教科書貸せよ… 俺 忘れちまったんだよなぁ~」
不意に聞こえる 兄 皐月 の声に顔をあげると すぐ目の前に 立っていた。
口角を上げ 楽しそうに僕を見下ろしている。
「え、え、で、でも、僕も… 1時間目……数学……ある……から …… 。」
全く情けない。
僕は恐る恐る兄を見る。
兄は僕の机をおもいっきり蹴りあげた。
僕の身体が硬直する。
クラスの視線が僕達に集まった。
「弟……いや、 晃の癖に俺に逆らっていいと思ってんの? ほら、寄越せよ。」
逆らったら… きっと兄は 僕を 叩くだろう。
殴るだろう。 そのまま 犯されて めちゃくちゃにされて また 蹴られて 。
それなら、忘れたと言って先生に怒られた方が……。
僕は本脳的に 数学の教科書を差し出す。
「それでいいんだよブス」
兄は荒々しく 僕から教科書を奪い取り 教室を後にした。
周りからは 自分を可哀想だと笑うもの ウケる と爆笑するもので 賑わっていた 。
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