アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
9
-
授業が始まって4分は経ったか。
僕は隣から物凄い視線を感じ、教科書すらまともに見れないでいた。
「す、すいません、僕の顔とか頭に、な、なにかついてますか…?」
耐えきれず小声で彼に問いかける。
「あ、そ、それとも に、臭いますか? な、なら、離れていただけると……う、嬉しい……ん、で、すけど… 。」
スクールカーストのピラミッドに君臨する生徒会長に話しかけるのには、かなりの体力が必要らしい。
僕の声は、裏返り 気持ち悪い程に汗をかいていた。
ふいに生徒会長様はあろう事か、僕の頬に触れてきた。
「ひっ」と僕が小さく悲鳴をあげ 、その手を叩いてしまう。
失敗だ。
生徒会長様の手を叩いてしまった。
すると彼は「ははは」と乾いた声で笑った。
逆鱗に触れてしまったか… と心配になって 生徒会長を見据える。
生徒会長は眉を下げ
「 俺も嫌われたもんだな~ 」なんて 一言もらす。
「そんなに嫌われると流石に悲しいよ。」
生徒会長様が何を言ってるかが分からない。
僕が戸惑っていると刹那 もう1度 彼の手が僕の頬に包み込むように触れた。
「俺は君の事…… 雪村晃 の事が知りたい。仲良くしてくれないかな。」
…… 我が校の生徒会長は頭がおかしい。
突然先生の「そこ!授業に集中しろ!」という怒鳴り声で、 生徒会長の手は俺の頬から離れてしまう。
温もりが僕の頬から消える。
彼はこちらを見て、テヘッ とでも言うように 舌を出した。
そして、小さな声で。 僕に囁いた。
「君と話をしたい。放課後 、生徒会室は俺ひとりだ。 もし良ければ おいで。 」
耳を疑う言葉。
聞き間違いだ。 きっとこれは。
本当であっても、きっと 僕を虐めるための口実だ。
きっと…… 。
きっと …… 。
もう1度 彼の顔を見る。
視線が絡まる。 嘘偽りのない 瞳。
この男が何を考えているのか分かラ無かった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
10 / 28