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それから、どの位走ったのか分からない。
ここは何処だろう 。と思い辺りを見回す。
そこは、いつもの公園のようで、すぐ近くには僕がよく寝泊まりするベンチがあった。
後ろを振り返るが生徒会長の姿はない。
乱れた呼吸を落ち着かせる。
そして、全開に開いたシャツのボタンを直していく。
ふと手が止まる。
なんで……生徒会長は僕にあんな事をしたのだろうか。
いまだに思考が追いつかない。
あれは 嫌がらせなのかな。
そう考えれば全てが結びつく。
兄や母と同じで生徒会長様は僕が気に入らないんだ。だから……だから僕を… 。
ふと、ひとすじの涙が頬に伝う。
あれ?
僕泣いてる?
僕の事を好きでいてくれる人は 誰もいない。
僕は邪魔でクズでゴミよりもしたな存在。
そんなの知ってるのに。
なんで。
不意にゴミ箱に捨てられているボロい教科書に目がいった。
それは今日兄に貸した僕の教科書だった。
びりびりに破れた僕の教科書。
表紙には”死ね”だの”お前はクズ”だの好き勝手に落書きされていた。
胸がさらに苦しくなる。
息が出来ない。
教科書を拾い上げて抱きしめる。
僕は……僕は。
その場にうずくまる。
助けて。
誰でもいい。僕を暖めて。愛して。
瞳を閉じると自然に意識は遠のいていった。
ぁあ…………このまま 自分なんて死んでしまえばいいのに。
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