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「生徒会長さん。」
そっと後ろから声をかける。すると彼はかなり驚いた様でびくりと肩を大きく揺らしてこちらを振り返る。
やばい…驚かしちゃったかな。
「お、おはよう…ございま、す。」
その瞬間 生徒会長の顔が満面の笑みに変わった。
その眩しい微笑みに自分の頬が少し熱くなるのを感じる。
「来てくれたんだね。 嬉しい。」
そして、近づいて来たかと思うと 僕の前髪をそっとすくい上げる。
あまり見えていなかった視界がいきなりオープンになり眩しい笑顔と照りつける日光に僕は驚きのあまり瞳を閉じた。
「前髪を下ろしたままだと可愛い顔が台無しだ。 僕が払うから美容院…行こうか。」
そっと温かな手が僕のつめたく冷えた手を包み込んだ。
その温もりに何故か胸がきゅぅッとなり、その苦しさでたまらずその手を握り返していた。
「 い、いいですよ。ぼ、ぼ、僕は…この方が落ち着きますし… 第一… これ以上 生徒会長さんに… お金を支払わせたら…め、迷惑で… ふっ!?」
その途端 頬をつままれた。
なぜつままれた?え? 生徒会長様のかんに触ったか??
「あのさぁ。今日はデートだろ? 今日くらいは、『生徒会長さん』じゃなくて名前で呼んでくれよ 。 金も心配すんな。 …… それにさ、お前 ずっとその髪でいるつもりか? 流石にないな。 お前 可愛いんだから自信持て。 な? 晃。」
生徒会長さんがまた微笑む。
『可愛い』 。 男に可愛いは少しあれだが。
今まで1度も言われたことがない。
どうやら 今日の僕は少し可笑しいみたいだ。
さっきから頬のあたりや触れられた所が熱い。
熱でもあるのか。
生徒会長… 否… 恋也さんの顔に偽りなんてない。
この人なら信じていいのだろうか。
恋也さんに手をひかれる。
それが嬉しいのか嫌なのか今の自分には分からない。
ただひとつ言えることがある。
それは…
『もっとこの人といたい。』
「れ、恋也さん 。 … あ、ありがとうございます… 僕、今、 貴方といれて きっと、幸せです 。 きっと。」
そっと微笑む。
恋也さんの握る手の力が一瞬だけ強くなった。
それと同時に恋也さんの頬が赤く染まったように見えた。
恋也さんは顔を僕から背け「ど、ど、どういたしまして」だけ言って また僕の手をひいた。
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