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センチメンタル 梶原SIDE 6
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「いた・・・」
同じ姿勢で寝ていたのか、左肩の痺れを覚えて目が覚める。
窓のそばに横付けしているベッドからぼんやりと視界が広がる。いつものように窓枠に置いた目覚ましで6時を指していた時針に、もう少し寝ていられる安心感を確保した。
消さずに寝てしまった電気はいつの間にかきちんと消されて、『俺電気消さな寝られへんねん。』と言っていたいつかの川本を思い出す。
あ、川本泊まってんやった。
寝返りで川本の所在を確認しようとして気付く背後の気配と寝息。
思わず寝返りをためらって布団を深く被った。
まどろむような眠気は吹き飛んだ。
こいつ・・・なんで一緒に寝てんねん・・・。
俺の体格を考えた両親がシングルではかわいそうだとセミダブルのベッドをあてがってくれたお陰で狭さはそれほどでもないが、男二人で寝るにはやはり違和感がある。
俺の場合は特に、川本だから困る。
心臓を落ち着けてもう一度顔だけを川本の気配のする方へ向けて確かめる。
いつも何か面白いものを探してよく気付く瞳は今は重く閉ざされ、よくしゃべるこいつの口も静かに結ばれていた。
外部活で焼けた頬をそっと触りたいような気はしたが、それはやめた。
カーテンの隙間から漏れる薄い光が川本の顔に当たると不快だと訴えるように眉間に皺が寄る。
「んー・・・」
軽い掛け布団では寒かったのか急に身動ぎ、俺の布団へ足を潜らせた。それに驚いた俺は慌てて向き直り目を閉じた。
「さむ・・・。」
寝ぼけた声で呟いた川本は俺の布団を手に体を滑り込ませ、混乱している俺の腰に回した腕で抱き枕を引き寄せるように密着してしまう。
うそ、うそ、、、
え、待ってッ・・・こんなん、どうすんねん・・・
まるで全身が心臓になったように響く鼓動が川本の腕に伝わってしまうかもと、意識すればするほどさらに心拍数が上がる。
自分が熱いのか寒いのかすらも判断がつかない。
くっついた川本の胸板からせめて背中を離そうと体を浮かせれば、無意識に逃がすまいとした川本の腕がさらに強く引き寄せた。
首筋に当たる川本の、多分唇と、小さな寝息がくすぐったいのと同時に死ぬほど恥ずかしく思えた。
首筋から全身へ熱が伝染していくような感覚にしばらく耐えられるほどの強い精神は持ち合わせていない。
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