アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
スタートラインY その1
-
川本Side
最近梶原の様子がおかしい。
俺が何かしたのか?なんて聞かなくても分かるし、思い当たる節はありすぎる。
相変わらず一緒に遊んだり騒いだりはしているし一見しての変化はないものの、なんとなく避けられている。周りは気付かずとも、避けられている本人には分かるのだ。
特に、島田と三人で飲んだ日から。
体育館への移動で横に並んだ梶原を盗み見る。
いつも通り、何にも興味なさそうなつまらなそうな表情。ぼんやりと遠くを眺めているように見えるが、実際は何も見てはいない。
「かじわらー、」
「?」
「お前なんか付いてんで。」
反応する前に耳たぶ近くから顎のラインへ指をスライドさせると、大袈裟に体が跳ねてそのまま手を軽く払い除けられた。
「ぃて。」
「あ、悪い。ビックリして・・・。」
これやこれ。
へらへら笑いながら目が泳ぐ梶原。明らかに気まずさを滲ませていた。
もうこの距離には限界が近いのかもしれない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
12 / 116