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スタートラインY その12
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公園は意外と広く、砂場と滑り台と鉄棒とうんてい、シーソーと大きなジャングルジム、それからブランコが点在していてまさに子供には最高の公園だ。
街灯はぽつりぽつりと立っていて、広いせいか夜は少し寂しい。
街灯の明かりから少し外れたブランコに腰掛けて、レジ袋の中から瓶で買った焼酎900mlを取り出すと、口を開けてそのままラッパ飲みする。
入りきらなかった分が口の端から流れて地面の土を点々と濡らしたが、それもすぐに染み込んで消えていった。
一気に流し込んだ何口かの後に食道から胃がひりひり焼け付くように熱くなり、冬の冷たい空気は今の自分に心地よく、露出した部分を撫ぜた。
かわもと。・・・かわもと。
津田とはうまくいったんやろうか。
断られたらええのにな・・・。
なんでやねん。
どっちみち俺にはチャンスあらへん。
・・・関係ないねん。
想いを寄せてはそれを自分で振り切る。
ぽつぽつと湧き出る素直な感情は抑制してきた反動だろうか。
どうせ報われないのにいつまでも未練がましい自分が嫌になる。
『・・・・ほんなら。キスの方法教えたるわ。いるやろ、お前も。』
思い出して唇に触れば蘇る。
記憶を辿りたくはないのに。
思い出すたび、また酒で流し込んだ。
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