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スタートラインK その11
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「川本くんは、付き合ってる人いてる?」
「おらん。」
「好きな子ぉとか。」
「んー・・・なんで?」
「さっき友達に聞いてきてて言われてん。ゴメンなぁ。」
「・・・おる。」
「あ、ホンマ?残念やなぁ。まぁ川本くんモテるから脈ないってその子も言うてたわ。」
「モテへんわ。」
「謙遜せんでもええやんっ。きっとその子も川本くん好きや思うで。」
「・・・せやったらええけどな。」
「珍しく自信なさげやね。そんなむつかしい子なん?」
「何考えてるか、分からへん。・・・めんどくさい奴やな。」
「どんな子?」
「暗い。友達おらへんし、基本的に人を信用してへん。優柔不断でよぉ悩む。その割に無鉄砲で危なっかしい。」
「・・・その子、どこがええん?」
「ホンマや。」
「どこが好きなん?」
「・・・顔?」
「えぇー。見てみたいなぁ。」
「教えへんで。」
「ざんねーん。なんか川本くんと正反対みたいやね。・・・案外その子、川本くんに構ってほしいだけやない?」
「そうかぁ?」
ちゃう。俺が構いたいねん。
ほっとかれへんねん。
それから津田と歩きながら暇つぶしついでに迎えに来てくれる彼氏についてをインタビューして歩いた。
大学生との練習試合の際にナンパされて知り合った1年生の彼氏は優しくて、頼りがいがある割には結構心配性で、熊に似ているそうだ。
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