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スタートラインK その14
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どこにおんねん。あのアホは。
アホ。ホンマにあのアホ!
人がせっかく待ってんのに。
なんで道草してんねん。なんで迷子になってんねん。
『好きな人って誰なん?』
『なんで教えなあかんねん。』
『知りたい。』
『なんで。』
『なんでって・・・。気になるやん。』
『なんで気になんねん。』
なんで気になんのか、その先言えや!
それが聞きたいねん。梶原。
ずっと待ってたやろ。
お前が追いつくまで、ずっと待ってたやん。
居酒屋からカラオケまでの一本道を戻りながら、梶原が入りそうな路地を見つけて走る。
これで見つけられなければ家に行って待つしかない。
ただ、俺の予想ではまっすぐ帰る事はないと踏んでいた。
これも自分の感覚と梶原の性格的な特徴を統計した形でしかないけれど。
路地の中をぐるぐると探してみたが、梶原が立ち寄りそうな場所はなく、萎びたおっさんが入る小さな赤提灯の居酒屋かシャッターの閉まった店ばかり。
大通りまで出てきてから走る足が止まった。
はぁはぁと肩で息をして道路を挟んだ向かいのコンビニに止まるヤン車の前を通り、左側の一段高い位置にあるフェンスと垣根の合間に目を向けると、ブランコに乗った人影が見える。
俺はもう走る事をせず、息を整えてその公園の入り口へと足を運んだ。
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