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スタートラインK その18
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「何してんの・・・・。」
「キスやろ。」
もう認めろや。何躊躇ってんねん。
止まっていた涙が今度は大粒になり瞳から溢れ出た。
俯いた梶原の髪を指に挟んでツンツンと引っ張る。
泣いてる顔もっと見たい。
こっち向けよ、梶原。
「梶原。」
顔を上げる気配のない梶原に焦れた俺が名前を呼ぶと、ようやく顔を上げた梶原は搾り出すような小さな声で叫んだ。
「キスの方法なんかいらんッ。・・・お前俺をバカにしてんのか?」
「梶原。」
ちゃんと聞けよ。
「最悪やもう!泣きたないのに!」
「おい。」
呼吸が詰まって小さく咳き込んだ。
「そんなん、好きな子と、・・・しろや!」
何言うてんねん!
お前はその目で一体何見てんねん!
俺は!
なんでこんなにしんどい思いしとんねん。
なんで焦ってまでここにおんねん。
なんで腹立ってまでお前から離れへんねん。
なんでお前をずっと待ってたと思とんねん。
好きやからやろ!!
舌打ちの後、もう一度強く引き寄せて言う。
ちゃんと聞けって。
「だから、してるやん。」
何度唇を重ねたら自分の気持ちに向き合うのか。
何度想いを重ねたら俺の気持ちに気付くのか。
ホンマに、
「気付けアホ。」
有無を言わさず口を塞ぐ。
俺の左手が梶原の耳元を撫で、右手は臆病な梶原が逃げられないようにゆっくりと頭を抱え込んだ。
驚いただろう割にはさっきより抵抗はなく、強情な本人よりも舌は素直に絡め取られてくれる。
柔らかい梶原の唇の端から零れる吐息が俺を昂らせる。
途中で苦しそうに目を閉じてしまって離れようとしても離さない。離せない。
合間の吐息を合図にゆっくりと唇を離した。
「・・・にぶちん。」
まだぼうっとしている梶原の柔らかい頬を抓る。
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