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同化欲求 その1
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酒井Side
こんちは!酒井透です。
川本とは中学校からの同級生で、ずっと一緒にサッカーをやっています。
つか、ですます調やめてええ?
中高とサッカー部の主将を務める川本といえば、とにかく昔から伝説の多い男だ。
小学校の頃少年サッカーチームで同じだった川本はとにかくうるさい小猿だった。やんちゃでガキ大将。気が強くて、試合に負けるとゴールポストを蹴り飛ばしては監督に叱られて、それでも反省せずにまた繰り返す。
中学で同じ南一中に入学し、同じサッカー部へ。
人よりも早めの反抗期なのか、一時期は授業をサボって部活にだけ顔を出していた。
部活の合間に聞けば、素行の悪い先輩の家で朝から麻雀。夜はそいつらと原チャリ乗り回してはパチンコ三昧。または家飲み朝までコース。楽しそうに語る俺の知らない話。その一瞬は少しだけ疎遠で、なんとなく遠い存在に思えていた。
一年の終わり頃。
俺は男女数人とカラオケの帰り、ちょうど店の外へ出たところで偶然川本と出くわした。
柄が悪そうな、多分高校生くらいのお兄さん方三人と一緒のようだった。
「清史くん、何してんの?」
「今隣でパチンコ終わらしたとこ。ほんで飲みに行くとこやねん。タクが儲けたからオゴってくれんねんてよ。」
親指で示したカラオケの隣のパチンコ屋。
そのタクさんとやらはどうやら川本の右にいる金髪のお兄さんの事らしい。
「お前も来る?あ、友達いてるか。」
やっぱり俺もまだまだガキんちょやったから、好奇心って大事やんか。
「行く。」
と。こんな流れで停滞していた関係は再開し、部活もプライベートもよく一緒にいるようになっていった。
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