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同化欲求 その2
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俺たちの代はいい人材が揃っていたせいか、レギュラー争いにも積極的に食い込み、先輩を差し置いてスタメンにも選ばれる。二年に上がる頃にはそれなりの成績を収め、当然クラスでも学校でも目立つと、徐々に女の子にモテ始めていった。
ただでさえ思春期で多感な時期。川本みたいな小猿だって、サッカーうまいし強いし『カッコイイ』、ふざけて騒いでいるのを見ては『かわいい』、とよくモテていた。
そんで俺もどっちか言うたら結構なモテ具合や思うねん。
世間で言うところのイケメン?いやいや、これは事実でウソなしや。
このイケメンに加えて178㎝のまあまあ恵まれた長身、明るく楽しい花形サッカー部というのも女の子の中ではポイントが高いらしい。
俺と川本は、根本的に似ていると思う。
空気を読むのが得意で、同じMFポジション。やり方は違っても結局のところ広い視野と人の機敏に敏感でないとこのポジションではやっていけない。
川本は強気でごり押し、攻めのMFがゆえにゲームを読めていないとあんなに上手に全体を回せない。俺はバランス型だから、川本の求めているゲームメイクにいち早く察知してその采配に強力な補強を加える。
自分らのサッカーする時にはお互いなくてはならん存在やと思う。
悪い遊びの範疇も、被る交友関係も、寄ってくる女の子の数も質も。
常に俺らは選ぶ側の人間だ。
違うところといえば、川本の広すぎる交友関係と、俺が思っていたより、女の子が大好きだったという事くらい。
あ、あと。俺は平和主義者やから。基本的に。
今ではちょっと恥ずかしくてとても言えるわけではないが、南一中の2トップといえば俺と川本だった。そのお陰で女の子には昔から一切苦労していないし、それは現在に至っても同じだ。
もう何人食ったか分からへん。
本人から聞いた事は少ないがきっと川本も俺と似たようなものだろう。
遊びの限りを尽くし、年上から年下にと、なかなかに派手な中学校生活。性活?
彼女だと紹介された子が前回と違うというのも少なくなかった。
高校に上がるまでは。
おいおい、同類やーんと親近感が沸いていたのに、今では女の気配が一切感じられない。
探りを入れてもスルーされるし、そこを無理やり突っ込んで聞くほどの勇気は後の報復が面倒くさくて出なかったが、興味は絶えない。
「今日さー、この前ナンパした女子高の子らにカラオケ誘われてんねん。清史行かへん?なんでかお前の事も知っててさー。ご指名やで。」
「えぇー。いややー、めんどくさーい。」
以前なら絶対乗ってきたはずの話も、この変わりよう。
ホンマに不思議やわ。・・・・・・・・・・EDか??
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