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AM 07:05
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『天然物の焦げ茶色の髪に、薄茶の瞳を持ち、現在テレビの前でゆったりブラックコーヒーを飲んでいるそこのあなた! 』
付けっ放しになっていたテレビから、甲高い声が聞こえてきた。画面に映っているのは、かなりガタイのいい男だ。
俺は手元に目を落とした。
黒いコーヒーの表面にはいつも通り、非常に不機嫌そうな顔がゆらゆらと写っている。
『今日のあなたの運勢は最悪です。道を歩けば絡まれ、絶対に気の合わない人間と出くわし、問題が次々巻き起こり、とにかく行く先々で騒動が起こるでしょう』
そんなことあってたまるか。
『そんなあなたが注意すべきことは"誠実さ"と"紳士さ"です。人間関係にはお気をつけて! 以上、ウラ・ナウコの、アンラッキー運命占いでした!』
内容と不釣り合いな明るい声に辟易し、テレビのスイッチを即座に消した。
多少色素の薄い日本人なんて山ほどいるだろうし、朝からコーヒーを飲む者も多いはずだ。大衆向けの番組だから、無難なことしか言わないのだろう。
時間の無駄だ。だからテレビは要らないと言ったのに。
俺は飲みかけのカップをソーサーの上に置いた。
まだ半分以上残っているが、何だか飲む気が失せたのだ。
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