アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
春色ブラックコーヒー 2
-
・
・
・
・
暇だ。
半ば無理矢理連れてこられた生徒指導室で、俺はパイプ椅子に座り、待たされていた。
なんでも、風紀委員長とやらを呼びに行っているらしい。そこは教師じゃないのかよ。
左右には、風紀委員の腕章を付けた屈強な男子生徒が二人ずつ立って身構えている。
ここまで来る途中で多少暴れたため、逃亡を警戒したのだろう。
暴れたと言っても、俺を羽交い締めにして無理に連れ去ろうとする奴らに正当防衛をしただけである。
骨の一本も折ってないし、最終的にはここまで来てやったんだから、感謝こそされても珍獣扱いされるいわれはない。だから早く解放しろ。
しかし何を言っても彼らは黙ったままなので、俺は苛立ち紛れに机の脚を蹴りつけた。
狭い部屋にガンガン音が響くが、左右の生徒たちはちらりと視線を寄越しただけで、止めるそぶりもない。くそつまんねー奴ら。
再び足を机の脚にかけた時、急いたような足音が近付いて来た。扉が開き、真っ黒の革靴が部屋に踏み入る。
「どーも、遅くなりま……って、何蹴ってんの?ちょっとちょっと、ストップー!」
ド派手な金髪の男が「これ、ペンキ剥げてないよね」慌てて跪いて机の脚にペタペタ触れた。
俺は眉をしかめた。
その男が、あまりに酷い格好をしていたからだ。ちょっと着崩したとかそういうレベルでなく、追い剥ぎにでもあったのかと問いたくなる。
ブレザーのボタンは全開で、シャツのボタンもほぼ開いている。おかげで、くっきり浮き出た鎖骨から、胸元のかなり際どい所まで大胆に見えていた。ズボンのベルトも一応腰に回ってはいるものの、留め金は付いておらず、今にもズボンがずり落ちそうだ。
服ぐらいまともに着てから来い。汚いもの見せんな。出直せ。
俺は一応机から足を離して、しかしどうにもこの男と話す気にはなれなかったので、端的に述べた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 17