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春色ブラックコーヒー 6
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そして歩くスピードを一気に上げる。が、スポーツ男もパタパタと後ろからついて来た。
無視し続けていても、奴はちっとも堪えた様子がない。
むしろ聞き流す俺の方がストレスが溜まってきた。本当なんなのこいつ。
わざと聞こえるように舌打ちしてやる。が、この馬鹿そうな男に効果はなく、新入生達がビクリと体を震わせた。
「……お前、人の話聞いてた?話しかけるなっつってんだけど」
「お前じゃなくて名前で呼んでよ。そうか、自己紹介がまだだったな。俺は西尾(にしお)悠馬(ゆうま)!ユウって呼んでよ!」
「どうでもいいしもう忘れた」
「あんた一体何をやらかしたんだ?俺、入学早々問題を起こして生徒指導送りってかなりスゲーと思う!普通の人には到底出来ない荒業だよな!」
「………………」
褒めてるんだか貶してるんだか分からないが、こいつとまともな会話をするのは無理だという事だけはよく分かった。
徹底的に無視しよう。
そう心に誓い、前だけを見て黙々と歩く。
だが、残念ながら相手もなかなかにしつこく、「なぁなぁ幸村紫樹、」と懲りずに話しかけてくる。
鬱陶しいな。
こいつ、どうしたら黙ってくれるんだろう。
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