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急接近。5
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「…?」
「あ…いや、ごめん…。えっと、待ってたんだ悠哉を。昨日悠哉ぶつかっただろ、俺と。はい、その時落とした生徒手帳」
ポケットから帝蘭学園生徒手帳と書いた手帳を差し出す。
「あっ…!ありがと…」
無かったことに全く気付かなかった。
え、今ぶつかったって言った…?あの時の人が空良くんだったの!?それじゃ僕凄く失礼な事をしたってことだよね…!?
「あ、あのごめんなさい昨日は!全然前も向かずに歩いてたし…そ、それに逃げて!」
「ふはは、良いよ別に!俺も悪いってこともあるしお互い様!とりあえず電車乗ろうか?」
ちょうどアナウンスがなり電車に乗る。
今は通勤途中の人が多く人がいたが自分たちが立てるくらいのスペースはあった。
「そういえば昨日はごめん。帰ろうって言っときながら…」
昨日…?ああ、放課後のこと、だよね、多分。
「ううん、僕邪魔だろうと思ったから。」
「邪魔、じゃない…。えと、今日一緒に帰ろ?」
「僕、で良いの?」
「うん、悠哉と帰りたい」
ホントに…?
って心の中で聞いて見る。
不安そうに空良くんを見上げていると頬に温かく綺麗な手が触れる。
──トクンッ
胸がざわつく。時間が止まったみたいに音が聴こえない。この世界に僕と空良くんだけがいる気がした──。
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