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その後、食事を終えると山田が先に洗面所を使いその間に俺は食器の後片付けをする。
出てきた山田と入れ替わりに洗面所で支度を整え、スーツに袖を通し………ふと気になった事を聞いてみた。
「お前、服替えに家に帰んの?」
「あぁ………いいえ。こんな時の為に会社のロッカーには常に替えの服を置いてありますので」
「………あっそ」
なんだか、聞かなかった方が良かったような気がしつつ………支度を終えると山田と連れ立って家を出た。
バスに揺られ駅に着くとすぐ到着する電車に乗り込む。
「っ………ふぅ………」
朝のラッシュで身動きが取れず、人の波が容赦なく襲ってくるのに体のバランスを崩されながら、山田は辛そうに息を吐いた。
やはり、昨日無理をしすぎたせいで相当キツイのだろう。
………当たり前か、動けなくなっていたくらいだもんな。
「おい」
呼び掛けてみるも、山田は気付かず人波に翻弄されているばかり………。
「おいって、おい!山田!」
ぐいっと山田の細い二の腕を掴み、体を引き寄せた。
「体、キツイんだろ?俺に凭れかかっとけ」
びっくりして目を丸くしている山田に構わず腰の辺りに腕を回し、体を支えてやる。
きょとんとしていた山田はしばらくしてやっと状況が飲み込めたのか顔をほんのりと赤くしながら、
「はっ、離して下さい………センパイ」
と照れて言うのを俺は“嫌だ”と離さなかった。
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