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山田は変態なのだ。
俺はその変態相手に、なんて事を考えているんだろう。
疲れてるんだ、きっとそうだ、そうに違いない………そうでなければ、ノーマルで正常で常識的なこの俺ともあろう者があんな変態を目で追い、見惚れるような真似をする訳がない。
「………はぁ」
小さくため息を一つ、疲れた脳に糖分補給でもしようと俺は席を立ち自販機に向かった。
小銭を入れ、普段ならば絶対に選ばない甘い甘い砂糖とミルクたっぷりのカフェオレのボタンを押す。
そのまま喫煙所に向かいポーズだけのタバコに火を着けた。
俺は喫煙者ではない。
けれどこうして格好だけでもタバコを吸わない事には、休憩ひとつ気軽に取れやしない。
吸っているのはマルボロメンソールライト………銘柄にもこだわりはない。
ポーズだけで実際には吸っているわけじゃあないから、なんでも良い………会社にいる間だけ、体よく休憩を挟む口実にしているだけだった。
ちびちびと甘ったるいカフェオレを口に運びながら、じっとオレンジのタバコの光を見詰める。
じりじりとそのオレンジ光は上へと上がり、白い部分が灰色へと変わるのをじっと無表情で見詰める。
………灰が床に落ちる前に灰皿に軽くタバコを叩きつけ、チラリと腕時計を見た。
もうすぐで席を離れて4分が経つ………休憩は5分、そう決めている。
別に誰に言われた訳でもない、自分のルールだった。
ゴクゴクと喉を鳴らし残ったカフェオレを全て胃に流し込み、タバコを灰皿に捨てると俺は喫煙所を出て仕事に戻った。
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