アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
42
-
「あー………山田、今日………夜、ちょっと空いてるか」
先に焦れたのは………俺だった。
昼休み、唐突にそう声を掛けた俺に
「センパイ、イイコト………したくなりました?」
山田はニヤリと笑ってそう応える。
「じゃあ、今日………夜にお伺いしますね」
ハッと気付いた時にはもう山田の背中は遥か彼方………俺はやっと、今更ながらに自分のした事の重大さに気付き、文字通り頭を抱えた。
それから午後の業務は散々で、注意力散漫なうえにそわそわと落ち着きがなく、更には気を抜くとつい山田を目で追ってしまう。
するといきなり、パッと山田がこちらに顔を向けた。
「ヘ・ン・タ・イ………」
声には出さず、山田がゆっくりと唇の動きだけで紡いだその言葉は紛れもなく“変態”という不本意なもので………俺はイライラとした気持ちでパソコンに向かい、さして意味もない打ち込みの作業に没頭する。
他にもっと進めねばならない仕事が溜まっていたのだが、どうにもこんなコンディションでは進むものも進まない。
ミスをして翌日にまたやり直すような二度手間は御免だ。
そうして黙々と単調な作業をこなし………ふと気付けばまたもや視界に山田を捉えている事に気付くと、俺は盛大なため息と同時に深々と頭を垂れた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
42 / 114