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漸く、待ちに待った定時となった。
俺は朝から全くと言っていいほど進んでいないパソコンの電源を落とし、即座に荷物をまとめる。
「山田、ちょっと付き合え」
ジロリと鋭い視線を投げて、有無を言わさぬ強い口調でそう言うと山田はにっこりと微笑む。
「今日じゃないと、いけませんか?」
口を開いたと思ったら、いけしゃあしゃあと生意気な事を言うコイツに、
「ああ、悪いけど付き合え」
と珍しく俺は強引に押しきって、それから山田に近付く。
「良いから大人しく言う事をきけよ………淫乱野郎」
山田にしか聞こえないよう耳元で、低くとても小さな声でそう言うと途端にピクンと体を揺らし、妖しく笑って
「………はい」
と、やっと山田は素直に従う意思を示した。
山田の帰り支度が終わるのを待ち、昨日とは違い連れ立って会社を出る。
「今日は一体また、なんの用ですか?」
会社を出るとすぐにそう言う山田に、
「お前に先輩を敬う気持ちってのを叩き込んでやる」
と俺は息巻く。
「へぇ………センパイに俺をしっかりと調教出来るのか、見物だよね」
目を細め、あからさまに馬鹿にした態度を取る山田に俺の怒りのボルテージは更に上昇していき、
「うるせぇ、何が調教だ。お前みたいに躾のなってない馬鹿野郎にはそんな調教は馬に念仏も良いとこだろうさ」
と、俺は怒りの余りなんだか良くわからない理屈を並べ立てた。
「………センパイ、僕をどうしたいの?」
「とにかく、お前の家に連れて行け。話はそっからだ」
「話、ねぇ………それならどっか店にでも入って………」
冷めた様子の冷静な山田の言葉を、俺は遮る。
「うるせぇ、とにかく黙って従え。俺をお前の家へ連れて行くんだ」
胸ぐらを乱暴に掴み、顔をぐいっと近づけて威嚇するように思いきり睨み付けながら、ドスの効いた低い声で命令をする。
「あなたって、本当に単純ですよね」
するとやっとの事で………口から溢れる言葉はやはり人を舐めた生意気なものだったが、それから山田は黙って俺を自宅へと案内してくれた。
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