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そんなわけでやって来た山田の自宅は、俺なんかの住んでいる安アパートとは違いそれはそれは大層立派なもんで御座いました。
「………すげーな」
思わず溢れた感嘆の溜め息と共に、胸の内にあれほどの乱気流を巻き起こし暴れ狂っていた怒りが一瞬にして萎んでしまう程には、その豪奢な門構えと建物の威圧感に衝撃を受けた。
「お前って、一人暮らし………だったよな?」
「そうですよ。それが何か?」
………“それが何か?”ではない。
パッと一目みてそうとわかる程、山田に案内され連れて来られたマンションは………何て言うか、その、御立派だった。
「それより、早く行きましょう?僕の部屋は最上階です」
そう言うと山田は慣れた手つきでオートロックを解除して、豪華で無駄に広すぎるエントランスを抜けるとボタンを押してエレベーターに乗り込んだ。
どうやら玄関入り口のオートロックと連携しているようで、誰かがこのマンションに入ってくると自動で一階にエレベーターが降りてくる仕組みになっているらしい。
………それだけで、このマンションがいかに高級であるかが知れるというものだ。
「………ココ、どう考えたって分譲だろ?本当にお前、こんなとこで一人暮らししてるわけ?」
「父が建てたんで、一部屋貰ったんです」
「へ?」
「ここの設計・建築・管理・販売をしている不動産会社を父が経営しているんですよ」
高い高い高層マンション、広い広いフロアに部屋はなんと2つだけ………話を聞くと上の階に行けば行く程、部屋数を少なく一部屋ごとの広さが広がるということだった。
「………どうでも良い話でしたね。さっ、どうぞ。センパイの部屋よりはきっと綺麗にしてますので気兼ねなくあがって下さい」
「うるせぇよ」
とはいえ、足を踏み入れたそこは品の良い家具に囲まれ、さながらモデルルームのように生活感を感じさせない………山田の言葉通りの綺麗で清潔な空間であった。
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