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ザーザーと、頭からシャワーのお湯を被る山田の姿を見詰める。
濡れてしんなりとボリュームのなくなった髪、きめ細やかな肌は水分を弾く。
整っているのは顔だけではなく、痩せている癖に鍛えているのかうっすらと浮き出る筋肉が美しく………じっと見詰めていても飽きる事はない。
「………いつまで眺めてるつもりです。変態ですか?」
吐き出す言葉にはトゲがある。
「変態に変態と言われる筋合いはない。お前、綺麗な体してんな。鍛えてんの?」
服を脱ぎ、漸く俺も浴室へ入る。
「なんで入って来てるの。狭い」
「こんだけ広いんだから狭いって事はねーだろ。それにいちゃいちゃするっつったじゃん」
俺から離れ逃げようとする山田の腰をガッチリと掴んでにっこりと微笑む。
「………」
そのままキスをしようとしたら、両手で口を塞がれ拒まれた。
「………い、嫌だ」
じとりと睨むも、山田の意思は固そうで………。
腰を掴んでいる手を離し、両手を上に上げ降参のポーズで“もう変な事はしませんよ”という意思表示をする。
訝しがりながらも恐る恐る手を口から退ける山田に、
「………引っ掛かったな?詰めがあまーい」
と言って電光石火の早業で唇を触れあわせた。
ほんの一瞬、ただ触れあうだけの………キス。
「キスは………好きじゃない」
眉根を寄せて、心底嫌そうな声で吐き捨てる山田に俺は苦笑いするしかなかった。
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